最近の私の音楽の嗜好がどちらに向いているかということは、もしかしたら気付いている人がいらっしゃったかもしれないと思っているのですが、いかがでしょうか。 どこかに書いたか分からなくなってきていますが、私の好きな作曲家は、筆頭がチャイコフスキーであり、ショスタコーヴィチ、ストラヴィンスキーといったロシアのロマン派以降であります。ドヴォルザークなど国民楽派のあたりも好きな作曲家は多いです。ドビュッシー、ラベルといった印象派もいいですね。現代物も好きです。と、つらつら書いてみましたが、総じて見るとオーケストレーションが派手目の曲を書いている作曲家が多いですね。オーケストラがオーケストラらしい響きがする曲が好きなのです。 ところがここ最近やっていることは、 #175の演奏会用の曲のリストアップでは、最後にグリーグ、ビゼーを付け足したりしています。ビゼーのカルメンに至っては、具体的な曲名まで上げてしまっております。 それから、それこそ「カルメン」組曲の編曲に取り掛かります。「カルメン」の歌劇のDVDまで買ってしまいます。本当にこれまではビゼーなんて聴こうとも思わなかったのですが。 それには、ちょっとした理由がありました。中学校時代の吹奏楽部顧問の先生が、ある年の吹奏楽コンクール課題曲について説明してくれたときのことです。 「・・・この曲は、メロディーがあって、伴奏があって、っていう単純なつまんない曲なんだよな。この作曲家は何年か前にも課題曲を書いていて、・・・って曲なんだけど、同じ様にメロディーと伴奏だけのつまんない曲だったんだよな。」 #184で紹介した吉松隆 著 『夢見るクラシック 交響曲入門』には、こんな一節があります。(P133-134) ところで、実を言うと、交響曲の作曲……というようなレベルの音楽の場合、〈リズム〉〈メロディ〉〈ハーモニー〉という基本中の基本の三要素だけじやとても、こういう巨大な構造を持った音楽は作れないのは分かるよね?(中略) クラシックの作曲としてさらに加えて重要なのは、まず〈対位法〉、そして〈形式〉、最後に〈様式〉というところかな。これがプロ仕様の〈音楽の三大要素〉と言えるかも知れないね。今度はこの三点についてちょっと話しておこう。 メロディー、ハーモニー、リズムというのは音楽の三大要素です。これだけあれば、とりあえずの音楽は作れます。実際に私が『裏口からの作曲入門』を使って作曲したのはここまでです。 しかし、よりシンフォニックな曲を作るには、対位法、形式、様式が必要だということになります。 顧問の先生が面白くないといった課題曲は、ほとんどメロディー、ハーモニー、リズムだけ出てきていて、対位法は無し、形式は単純な三部形式、様式は日本民謡風、といったものでした。 吹奏楽もシンフォニックに響く曲の方が面白い(私の考えですが)ので、やはり、基本の三大要素だけではつまらないものになってしまいます。 話を、ビゼーに戻しますと、ビゼーで代表的な曲はというと、 「アルルの女」第一、第二組曲と「カルメン」第一、第二組曲であります。もとは、「アルルの女」は劇付随音楽、「カルメン」は歌劇です。これらの中から、組曲用として抜粋されてわけです。 さて、これらの曲、ほとんどが基本の三大要素だけで出来ています。メロディーとハーモニーとリズムだけ。 というわけでビゼーの曲はつまんない、という結論に達しており、聴こうという気にはならなかったのです。 ただ、ちょっと認識は変わってきています。DVDで歌劇「カルメン」全曲を観まして、組曲で有名でない部分では結構面白かったのです。組曲はメロディーのあるところばかり抜き出していますからね。そういうことになってしまったのでしょう。 とはいっても、ビゼーの管弦楽曲はそう多くはありません。これ以上、積極的に聴く事はないでしょうねぇ。 聴かなかった曲を聴く様になったと言えば、シベリウスもあります。4月頭に東京に行ったときに交響曲全集を買っております。安かったとはいえ、これまでは見向きもしなかった作曲家です。 なぜでしょうか。 それというのも、#168、 #169、 #170 でやった「名曲を尋ねて」で、いくつか有名どころを落として悔しいと思ったからですね。 これで、「カルメン」をDVDで歌劇全曲、シベリウス交響曲第1番を入手しましたので、2敗が2勝に変わります。 あっそれから、吹奏楽版しか持っていないと思っていたベルリオーズの「ローマの謝肉祭」の入ったCDがありました。そのCDとは、 のだめカンタービレ Selection CD Book vol.2 もはや、オムニバスCDにはどんな曲が入っているのか憶えきれないのでした。 というわけで、100曲の対戦成績は、62勝29敗9分となりました。 |