前回、作家さんたちの恥さらしゲームを、クラシック音楽でも出来るのではないかと言うことを書きました。それでは、実際に私の名曲知っている具合を恥と共に晒してみましょう。 その前に、名曲とは具体的に何ぞや、という疑問があります。多くの人がいい曲だと感じる曲である事は間違いないと思うのですが、さて、どこかにそのようなリストはあるでしょうか。CDの100枚セットなどというのが各社から出ていますが、どうでしょう。確かに各作曲家の代表曲は入っているようですが、CDの時間の埋める関係で、短めの曲など必ずしも名曲とはいえない曲が入っていることもあります。リストとして使えなくはないですが、もっと端的なものがないかなぁ、と思いを馳せますと手持ちの本の中に『クラシック音楽鑑賞事典』(神保璟一郎 / 講談社学術文庫)があることに気付きました。この本のお終いの方に「世界の名曲100選」というページがあるのです。博識なる著者がこれぞ名曲と選んだ100曲ですので、間違いはないでしょう。 ちなみに、ちょっと数えてみましょう、。1、2、3、・・・ あれ、99曲しかありません。何度数えても99曲です。リストとして書き出してみて、番号を振っても99です。これはどうしたことでしょう。後一曲が分からないと100曲になりません。調べる方法はないものでしょうか。それとも最初から99曲しかなかったとか。 実は、この『クラシック音楽鑑賞事典』には底本となる本があるのです。昭和50年刊の角川文庫の『名曲をたずねて(上・下)』です。これを講談社が1983年に補筆、改題したのが『クラシック音楽鑑賞事典』なのです。 私は『名曲をたずねて』を中学二年生の時に買っておりまして、ずいぶん参考にさせていただいておりました。同じように下巻のお終いの方に「世界の名曲一〇〇選」があります。こちらを数えてみますとちゃんと100曲あるではないですか。さぁ、何が足りないのでしょう。一曲一曲確認してみると、ブラームスのヴァイオリン協奏曲が落ちておりました。『クラシック音楽鑑賞事典』の編集のときに落ちてしまったのでしょうね。 それでは、まず「世界の名曲100選」から見て参りましょう。
いきなり100ですとページが大きくなりすぎますので、とりあえず1/3ということで、ヴィヴァルディからベートーヴェンまでです。 まず、何をもって、知っているかという定義をしておかなければなりません。「聴こうと思ってすぐ聴ける状態である」という意味でCDを所有しているとしたいと思います。まぁ、持っているだけで聴いていないCDもあるんですけれどね。そこは良しとしましょう。完全に持っていれば勝ち、持っていなければ負け、一部分(微妙ですが)だけ持っていれば引き分けとしたいと思います。 では、ヴィヴァルディから。 1. いきなり持っていません。あぁ、こんな超有名曲を持っていないなんて。「春」と「冬」の一部はよく耳にするので知らないわけではないのですけれどね。「夏」や「秋」も聴けば「あぁ、この曲」と分かるかもしれません。 1敗。 バッハ 2. 管弦楽組曲は第2番、第3番はあるのですが、第1番、第4番はありません。レコードなら第1~4番まであるのですけれど。第1番、第4番はそれほど名曲だとは思わないけどなぁ。(いきなり愚痴) 3. 「ブランデンブルグ」は全6曲持っています。 4.5. 無伴奏チェロ、ミサ曲、持っていません。無伴奏チェロ組曲は欲しいなぁ。 6. 『主よ、人の望みの喜びよ』ですね。持っています。 2勝2敗1分。 ヘンデル 7. 「メサイア」、持っていません。「ハレルヤコーラス」ってこの曲の中でしたっけ? 1敗。 ボッケリーニ 8. 全然知りません。 1敗。 ハイドン 9. ハイドンの交響曲は全滅だなあ。一枚も持っていません。 10. 「天地創造」、持っていません。15年ほど前、知り合いがコーラスで参加するということで、コンサートで一回聴いたことはありますが。 2敗。 モーツァルト 11.12. これは先日のロイヤルフィルハーモニックコレクションで買いましたが、一応持っていました。 13.~17. 無いですねぇ。5連敗です。 18. 「魔笛」序曲といくつかのアリアならありますが、歌劇全曲となると、、、。 19. こちらも、序曲といくつかのアリアのみです。 20. 所謂「モツレク」です。これはあります。 3勝5敗2分。 ベートーヴェン、、、、ここは落とせませんよ。 21.~23. 交響曲は当然持っております。 24. レオノーレ序曲。第1番、第3番ならありました。それで十分かな。第4番てのもありますが。第2番ないとダメですか。 25.26. あります。 27.~29. あります。 30.~32. チェロソナタ、「大公」、弦楽四重奏かぁ、、ありません、室内楽は弱いなぁ。 33. 「フィデリオ」 序曲だけです。歌劇全曲は厳しいですね。DVDはあるから、持とうと思えば持てるわけですけれどね。 8勝3敗2分 ベートーヴェンは勝ち越せました。 さて、ここまでの成績は、13勝15敗5分でした。古典以前は興味の薄いところですから、仕方ないですね。というわけで、今回一押しの恥はヴィヴァルディの「四季」を持っていないことですかね。とほほ。 【参考文献】 名曲をたずねて(上) / 神保璟一郎 / 角川文庫 名曲をたずねて(下) / 神保璟一郎 / 角川文庫 クラシック音楽鑑賞事典 / 神保璟一郎 / 講談社学術文庫 |