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342.正月に聴く曲

2012.1.5


 暮れに聴く曲といえば『第九』であります。特に昨年末のN響はロジャー・ノリントンの指揮ということで、生演奏は聴けませんでしたが、TVを録画して堪能いたしました。

 明けて正月。まず年頭に何を聴きたいかということであります。#227で書きました冬の好きな曲は、チャイコフスキー交響曲第1番『冬の日の幻想』でしたが、別にこれは正月とは関係ありません。
 正月といえば、そこここで『春の海』(宮城道雄)、『六段の調べ』(八橋検校)や雅楽『越天楽』などが聴かれます。特に『春の海』などは完全に正月の音として国民の頭に刷り込まれていますね。

 しかし、それらは私が聴きたい曲ではないのであります。確かに正月といえば、似たような曲想を思い浮かべてしまうのでありますが。
 では、何が聴きたいと思うのか。

 小山清茂作品であります。

 特に正月的雰囲気に近く感じるのは、交響組曲『能面』、管弦楽のための鄙歌第1番。あくまでも、私が感じるということです。
 
 【日本コロムビア OW-7856-ND】
 このレコードには、交響組曲『能面』と『弦楽のためのアイヌの歌』が収録されています。演奏は、前者が渡辺暁雄指揮日本フィルハーモニー交響楽団(1961年録音)、後者が久山恵子指揮桐朋学園オーケストラ1964年録音)です。
 『能面』は、第1章《頼政》、第2章《増女》、第3章《大癋見(おおべしみ)》の3楽章からできております。第2章《増女》は冒頭フルートからイングリッシュホルンへのソロの受け渡しなど正月的気分にしてくれます。

 
 【FONTEC FONC-5062】
 このレコードには、管弦楽のための『信濃囃子』、管弦楽のための『うぶすな』、弦楽のための『アイヌの歌』、テープを伴った管弦楽のための『鄙歌』第1番が収録されています。演奏は、芥川也寸志指揮新交響楽団(1985年録音)です。
 この中では、『鄙歌』第1番が正月気分を満喫できます。

 どちらの曲も、作曲者は正月を意識していないでしょうけれど。

 さて、これらは管弦楽の曲なのですが、私が最初に聴いたのは吹奏楽版なのでありました。小山作品のいくつかは本人が吹奏楽版を作ったり、他者が編曲をしているのです。
 そのレコードがこちら、
 
 【CBS SONY 22AG718】
 バンド・コンテスト・レパートリーとあります。A面が小山清茂作品、『木挽歌』、『鄙歌』第1番、『能面』、B面が兼田敏作品『序曲』、『エレジー』、『パッサカリア』、『寓話』となっております。学生時分には、随分聴き込んだものです。どちらかというと兼田敏の方ですが。
 A面はすべて、大木隆明指揮群馬県前橋商業高等学校吹奏楽部の1977~79年の吹奏楽コンクール全国大会のライブ録音です。80年にも『鄙歌』第2番で全国大会に出場しております。つまりこのレコードは、80年のコンクール前に発売されていたのですねぇ。

 さてさて、お気づきかと思いますが、これらの音源はすべてLPレコードであります。CDではありません。自分でもCDで持っているつもりだったのですが、今回調べてみると、レコードしかないのでありました。CD化されているレコードもあるとは思いますが、貴重な音源になっていきますね。
 ということは、正月に聴きたいと思っていただけで、実はここ20年は聴いていなかったということでした。なにしろレコードプレーヤーを再購入したのは、一昨年の8月でしたから。

 この正月は、久しぶりに聴き込むことにいたしましょう。 

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