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340.関節痛

2012.12.23


 指揮者を志す人は、かなりの危険を覚悟しなければならない。怪我をする確率が、楽器の演奏家よりずっと高い。
 (中略)
指揮者は最も頸を痛めやすい。一拍ごとにむちうち追突を受けているようなものだし、毎日二万回ぐらい振るので肩をやられる。 (後略)

 岩城宏之さんの著書『指揮のおけいこ』レッスン3指揮者はキケンな商売からの引用です。

 私もある場面においては指揮者を名乗りますが、まともな教育を受けていないかなり怪しいアマチュアの指揮者であります。ですから、岩城さんの言うような怪我の心配は全く考えておりませんでした。毎日二万回振るというのもありません。その位振るのは、定期演奏会の前日、当日、一日練習といった年間10日位のものです。毎週の練習だって2時間弱ですので、振っても一万回にはならないでしょう。
 ということで、適度な運動になっていて、頸や肩を痛めるということはありませんでした。五十肩にもならず、垂直に腕を上げることが出来ています。

 ところが、この10月頃に痛くなってきた関節があります。10月といえば、我が定期演奏会の直前であり、練習に力が入っていた時期ではあります。
 痛くなってきた関節というのは、右手人差し指の第二関節と同じく右手親指の第二関節です。要は、右手で物をつまむときに力が入るところであります。
 私が、右手でつまむ頻度の高いものと言えば、指揮棒か筆記用具であります。指揮棒は、週に2時間弱程度しか持ちませんが、右手を振り回しますので、ある程度の力を込めて持っていなければなりません。筆記用具の方ですが、このOA全盛の時代に持つことがあるのかという疑問もありますが、会社での業務の関係で捺印からサインへ替えられてしまったことがあり、一日に何十通という書面にサインをしております。私はもともと筆圧が高く、軽くしようと思い水性のボールペンを使用しておりましたが、いつの間にか無くなってしまい、手近にあった3色の油性ボールペンを使うようになっていました。筆圧も上がってしまいました。

 という訳で、原因と思われることは二つあるのですが、どちらが主原因なのかは分りかねます。実際に指揮棒も普通に持っていれば、右手第二関節などには負荷は掛からないように思います。しかし、#331で書きましたグリップの大き目な岩城宏之モデルを持った時には、痛みが少なくなったのですね。グリップが大きいことで、中指、薬指、小指で包むように握りますので、人差し指への負荷が減ったのではないかとも思えます。
 岩城さんの著書には、指の関節が痛くなることなど書いてありませんでしたから、私の出鱈目指揮ぶりか、私特有の体質によるものでしょう。
 筆記用具は、親指、人差し指、中指で持ちますので、中指も痛くなるはずだと思いますが、ペンだこがある以外は普通です。
 となると、指揮棒を持っていることで関節痛が起きたことになってしまいますね。

 それから、湿布薬を貼っても痛みが引かないのです。もしかしたら、別の病気なのかもしれません。
 ただ、医者に行くほどの痛みでもないので、放置しておりますが。まぁ、あと半年続くようだったら、お医者さんに診てもらおうかな。

【参考文献】
岩城宏之 / 指揮のおけいこ / 文春文庫

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