直線上に配置

304.謎のレコード

2012.4.15


 タイムカプセルシリーズと申しましょうか、昔の荷物から出てきた物品シリーズです。#293の「磨香」に続きましてレコードです。

 私は、それほど記憶力に自身があるわけではないのですが、それでもレコード、CD、本の類はいつ頃どこで買ったかは大体覚えている物であります。あくまでも「大体」ですけれど。
 「大体」ですから、忘れてしまった物もあるのでが、それでも買ったことすら憶えていないということは、ないと思っていたのですけれど。

 レコードの入ったダンボールを開けて中を見たとき見覚えの無いレコードが3枚。しかもクラシックや吹奏楽ではない。また、知っているアーティストでもないという代物。

 いずれも、ハンガリーのジプシーミュージックであります。ハンガリーといえば、バルトークであります。バルトークは私の好きな作曲家の一人でありまして、それでバルトークが民俗音楽からインスピレーションを得ていたということから、私もこれらのレコードを買ったのではないかと思うのですけれど。

 
 まず一枚目。“The BUDAPEST Gipsies
 Qualiton というレーベルでLPX10058というナンバーが振られています。録音は1964年ですが、発売年は不明です。
 演奏は、“GIPSY BAND OF THE BUDAPEST DANCE ENSEMBLE”です。ジャケット写真のようにヴァイオリンのソロにバンドの伴奏というパターンが多いです。左はツィンバロンです。民族色豊かな音色がします。クラリネット・ソロやボーカルの曲もあり、なかなか楽しいレコードです。しかし、知っている曲はありません。また、聴き覚えもありません。そう何回も聴かなかったということでしょうか。
 値札がまだ貼ってありまして、“130-”などと書かれているのですが、どこの通貨だか分かりません。きっと日本円では\2,000程度だと思うのですが、まさか中古屋で\130で買ったということではないでしょうねぇ。

 
 2枚目。“GIPSY FORK SONGS FROM HUNGARY” がタイトルですかねぇ、、、他に読めるところが無い物で、、、。演奏者は“KALYI JAG GROUP”です。HUNGAROTONレーベル。SLPX18179。発売年が1989年とあります。記載されているナンバーによると、CDやカセットテープも発売されているようです。このレコードにも値札がありまして、“155-”となっています。
 ボーカルがメインで、タイトルのようにハンガリーのジプシー民謡が歌われております。もちろん知っている曲はありません。

 
 3枚目。“THE LAKATOS DINASTY
 演奏者は“SÁNDOR LAKATOS AND HIS GIPSY BAND”と“SÁNDOR DÉKI LAKATOS AND HIS GIPSY BAND”であります。SÁNDOR LAKATOSとSÁNDOR DÉKI LAKATOSというのがこのジャケットに移っているお二方でしょう。よく似てらっしゃいますから親子なのでしょうね。
 レーベルはQUALITON、1枚目と同じです。ナンバーはSLPX10166ですが、こちらはSLPXというところが2枚目と同じです。ちょっと不思議ですね。ナンバーはハンガリーの中で通し番号になっていたのでしょうか。
 発売年は1981年。値札は“130-”であります。
 このレコードは、演奏者の名が表すとおり、ヴァイオリン独奏とバンドのための曲ばかりです。所謂“チャールダーシュ”形式の曲が多く、ゆっくりなラッサンの部分と超高速のフリスカの超絶技巧を楽しめます。
 このレコードには知っている曲が1曲ありました。皆さんもご存知と思います、サラ・サーテのツィゴイネル・ワイゼンが、“In gypsy manner”という曲名で入っています。


 さて、これら3枚のレコードをどのように入手したか考えてみたいと思います。

 まず、入手の時期ですが、3枚をバラバラに買ったということは無いと思います。別に買っのであれば、ジプシーミュージックを集めようという意志があったわけで、一定期間はレコード屋さんで探していたわけですから忘れてしまうことはないと思います。ということで、3枚を一度に買って、あまり聴かないまま忘れてしまった物と思います。
 ということで、一番新しい“GIPSY FORK SONGS FROM HUNGARY”の発売された1989年以降となります。
 また、荷造りされた時期は、私が結婚するために部屋を空けた時ですので、1994年の暮れです。荷造りしたのは親でしたけれど。
 といことで、1989年から1994年の間に入手したことになりますが、では、何故LPレコードなのかということが疑問に残ります。時代はすでにCDに移っておりましたから。CDが発売されていず、わざわざレコードを買ったというなら、記憶に残りそうな物ですが。

 どこで入手したかとなると、3枚とも国外版ですので、外国旅行で買ってきたか、輸入版で買ったかということになります。
 私は1990年夏にドイツ旅行しておりますが、その時買ったのはCDが2枚とカセットテープが1本(このテープはどこへ行ったんだろう)であって、レコードは買っていません。持ち帰るのが面倒そうですからね。
 この手の輸入版を買っていたレコード屋さんというと、長野市のディスクアカデミー、東京神田の新世界レコードあたりかと思うのですが、新世界レコードに初めて行ったのは、結婚した後だったから、残る可能性はディスクアカデミーとなります。その時期にレコードを買いに長野市へ行っていたかなぁ?
 そのほか、ぶらっと入ったレコード屋さんで衝動買いという可能性もありますけれど。

 あとは、誰かに貰ったか、借りたまま返してない(そうだとしたら不味いなぁ)か、ですが。貰うにしろ借りるにしろ、こんなマニアックなレコードを持っている知り合いは、いないと思うのです。

 あるいは、私の知らないところで、親が誰かから貰って荷造りしてしまったとか。これなら私の記憶に無いのも当然ですけれどね。

 以上のように、謎のままなのです。それにしても不思議だなぁ。
 まぁ、20年ほど前の話ですからねえ。忘れていても不思議ではないですか。

前を読む 『休むに似たり』TOP 次を読む



Copyright(C)2005-12 T.Miyazawa All Rights Reserved.

直線上に配置