本を買ったのです。 「楽譜の書き方」という本です。タイトルからして、「何を今更。」という感じでしょう。 通常の楽典を理解していれば、楽譜は書けるわけなのですが、それだけで良い譜面が書けるわけではないのです。浄書、写譜という職業があるように読みやすい・演奏しやすい譜面の書き方があり、それらについて書かれた本なのです。Amazonの書評を見たところ、そういった本は日本語版では唯一の本のようです。 手書きの譜面を想定しているため、ペンの選び方、五線紙の選び方、音符・記号の筆順なんてところから始まっています。Finaleのようなコンピーターで譜面作成をしてしまえば関係ない所もありますが、五線紙の選び方という当たりは、五線のサイズ、間隔を調節するのに大変役に立つことです。 その後は、実際の楽譜の書き方に入っていきますが、実際に私が譜面作成していて迷うあたりのことが、丁寧に解説されています。符尾の長さ、連桁の中の休符の位置とか、、。面白いのは、正しい書き方以外は「間違い」といっていることが結構あります。もちろん楽典上の間違いは当然間違いですが、楽典上は正しい(楽典上はそこまで規定していないということ)けれど、楽譜の書き方としては間違いということが書かれています。これは注意しないといけません。今まで書いた楽譜で心当たりのあることが多々あります。 でも、そういったところはFinaleなどソフトの方でデフォルトに設定してくれていれば良いのですが、まぁ、実際に起こりえるパターンが無数にあるので対応し切れていません。ユーザーの方で気付いたときにコツコツと直さなければならないのです。 そして、私が過去一番反省したパート譜の書き方もかかれています。譜めくりのタイミングを考えるとか、先に読んでおきたかった内容でしたねぇ。 そして、「第20章各パートの諸問題」を読んでいて、「えっ!?」と驚いたことが書かれていたのです。(145P) ホルンは高音部譜表で書かれますが、ときどき低音部譜表が併用されています。現在は通常F管の楽器が使われています。低音部譜表で書かれるとき、古い方法では4度低く書くという習慣があります。(以下略) ホルンの記譜がヘ音記号(低音部譜表)で書かれている場合、随分低い音が書かれているなぁと思い調べたことがありました(過去にどこかで書いたと思ったのですが)。そのときに分かったのは、ヘ音記号で書かれているときはオクターブ低く書く、ということでした。しかし、この本では4度低くとあります。違っているではありませんか。 私が今まで書いた楽譜はどうだったか?と思い返してみましたが、ホルンパートはそのまま移しているので楽譜上は間違っていないということで安心したのですが。(でも、低い音をテューバパートに移したときに問題にならなかったぞ) やはり気になります。オクターブ低くなのか4度低くなのか。 YAMAHAのサイトで、ホルンの運指表のページを見てみますと、 慣例上古典派、ロマン派等の曲で、ヘ音記号はこれより1オクターブ下げて書かれるものもあります。 とあり、私の考えていたオクターブ下と同じ事が書かれていました。どういうことでしょう。皆さん分かりますか? 答えは簡単。私の勘違いでした。 私の思っていたオクターブ低くは、F管に移調してからオクターブ低くです。つまり、5度上げてからオクターブ下げるということ。 この本でいっているのは、実音から4度下げるということ。 同じことだったのですねぇ。 ウィキペディアの移調楽器の項を見て理解いたしました。 とにかく、楽譜を書く上で必要なことがわかりやすく書かれています。早いとこ全部読んで理解しなければなりません。 それと私の早とちりの癖も直さないといけませんね。 【参考文献】 楽譜の書き方 / 平石博一 / Hustle Copy YAMAHA / ホルンの運指表 ウィキペディア フリー百科事典 / 移調楽器 |