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289.Tamburo

2011.12.31


 これは、現在編曲を進めております、リムスキー=コルサコフのトロンボーン協奏曲のスコアにある編成表であります。表題部分はロシア語(全く分かりません)、楽器表記はイタリア語(だと思う)。

 編成については、前々回触れておりますので、ここで更に付け加えることはありません。
 今回、ネタにするのはパーカッションの部分です。前々回、私がまとめた編成表は、楽器表記を英語名で行いました。管楽器の部分は特に問題なく変換しましたが、パーカッションは? というと、

 Gran cassa → バスドラム
 Piatti → シンバル、、、だっけ
 Tamburo → タンバリンだよな、、、。

 しかし、よく考えてみると、この曲の演奏でタンバリンが聴こえていた覚えが無い、、、。もしかして違う?

 バンドメイツのための「吹奏楽小事典」を引っ張り出してきて、調べます。

 Gran cassa [伊] 大太鼓
 Piatti [伊] 合わせシンバル
 Tamburo [伊] 太鼓 / ドラム

 タンバリンではない。ちなみにタンバリンは、Tamburo basco
 タンバリンでないのは分かったけれど、太鼓 / ドラム って、ちょっと括りとして広いのではないかい? 具体的に何を示しているのかわかりません。

 CDで演奏を聴いてみますと、スネアドラムの音がしています。でも、スネアドラムをイタリア語にすると、Tamburo piccolo (小太鼓の意味でもある)となっています。うーむ、Tamburo piccoloと指示しなかった理由は何かあるのでしょうか。あるいは、Tamburoと指示すれば、一応小太鼓のことになるのでしょうかね。
 それから、譜面の中で snares on (スネアをつけて)という記述は無いのですが、その場合は snares on がデフォルトなのでしょうか。
 パーカッションに関して、知識の薄い私がまたまた露呈しております。

 まぁ、、とりあえずTamburoはスネアドラム(前々回の編成表ではSide drum としましたけれど) にしておけば大間違いではないことは分かりました。協奏曲三部作はこれで進めましょう。

 さて、ここでふと気付き、ヤバイ!と焦りだしたのであります。
 今まで編曲してきた曲はどうだったんだろう、、、。すでに配布してしまっているし、非常に拙い!ということです。

 今までに編曲した曲で、スネアドラムがTamburoが入っている曲、、。

◇戦争交響曲『ウェリントンの勝利』
 スコアに英文も併記してあったので、タンバリンという明らかなミスはしないで済みましたが、Part I でスネアドラムで演奏すべきところをラチェットの指示のままだったことを発見。これは訂正しなければ。

◇組曲『展覧会の絵』
 TamburoをちゃんとSide Drum として書いている。一部ガラガラを見落としてSide drumにしてしまっているけれど。不思議だ。当時調べたのだろうか。CDを聴いてスネアドラムと察したのかな。

◇『カルメン』組曲
 タンバリンで正解でした。

◇『カレリア』組曲
 これもタンバリンで正解でした。

 という訳で、明らかに勘違いしていて赤っ恥をかくという事態は無かったようです。

 しかし、パーカッションの名称は複雑です。作曲者によって何語で書くかはバラバラで、私は英語名で書きたいと思っていますので、正しく翻訳をしなければなりません。やはり、その度にきちんと調べなければならないのですね。

 ちょっと意外だったのが、この小太鼓が使われている曲が少ないということ。吹奏楽では大太鼓とセットで必ずと言って良いほど使われていますが、管弦楽ではそれほど多くは無いのですねぇ。

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