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243.また買ってしまった

2010.5.8


 事の起こりは、#243で書きましたように、「市吹でチューバを吹きたいのだが楽器を持っていない人がいる。楽団で用意することは考えられないか。」という話。

 実は、前回小学校に永久貸与してしまったと書いたYBB-103も、団内で楽器を持っていない人に貸し出していたこともあるのです。或いは、楽器を修理に出している間の代替器として使ってもらったこともありました。ただやはりYBB-103は細管ということもあって、柔らかく太い豊かな音色が出なかったので、チューバ吹きとしては物足りない楽器でした。そういうわけでほとんど仕舞ったきりになっていたのです。

 そして今回、「楽団でチューバは?」という話が出たときに、「今、幾ら位から買えるのだろうか?」と考えました。YBB-103クラス(現行はYBB-105。デザインはYBB-103の方がカッコいいのにな)は音色的に良くないとして、それより上のクラスとなると、3ピストンで40万円位? 4ピストンなら50万位? ロータリーだったら60万円以上か? 輸入楽器だったら100万以上だろうなぁ、中古だったら使えるのは最低30万位からかなぁ、などと想像してみました。
 いくら安くても楽団で買うには、解決しなければならない課題もあり、無理かなぁ、という考えではありましたけれど。

 それからネット検索の日々です。中古を検索してみますが、なかなか安くていい出物は無いようです。もともと価格が高い上に、程度も悪くないというと新品の半値までは下がらない感じです。
 そのうちに中国製楽器の存在を知ります。某掲示板や某質問サイトでは、「楽器の形をしたオブジェ」などといわれ評判はあまりよろしくないようです。次にその中国製楽器を扱っている楽器店のサイトに辿り着き、メーカや型番、価格が分かってきました。安い順にリストにしてみると次のようになります。一応B♭管のみです。中国メーカーは他にも有るようですが、目だったところはこんなところでした。参考までに、台湾、日本、ロシアのメーカーも載せてみました。さすがに中国製は安い。

メーカ / 型式 仕様 製造国 定価(税込み)
J.Michael / TU-2000 3ピストン 中国 \210,000-
Finale 4ロータリー 中国 \300,000-
J.Michael / TU-3000 4ロータリー 中国 \315,000-
YAMAHA / YBB-105 3ピストン 日本 \336.000-
Jupiter / CB380L 3ピストン、コンバーチブル 台湾 \367,500-
J.Michael / TU-5000 4ロータリー 中国 \399,000-
YAMAHA / YBB-201Ⅱ 3ピストン 日本 \414,750-
Jupiter / CB482L 4ピストン 台湾 \420,000-
Jupiter / CB778L 4ロータリー 台湾 \451,500-
Jupiter / CB380S 3ピストン、コンバーチブル
銀メッキ
台湾 \493,500-
St.Petersburg / 202N 4ロータリー
マウスピース、ケース別
ロシア \523,950-
Jupiter / CB482S 4ピストン、銀メッキ 台湾 \535,500-
YAMAHA / YBB-321Ⅱ 4ピストン 日本 \540,750-
The Marcato / TU-100L 4ロータリー 台湾 \546,000-
Jupiter / CB778S 4ロータリー、銀メッキ 台湾 \588,000-
Jupiter / CB582L 4ピストン 台湾 \609,000-
YAMAHA / YBB-621 4ピストン 日本 \693,000-
Jupiter / CB582S 4ピストン、銀メッキ 台湾 \766,500-
YAMAHA / YBB-641Ⅱ 4ロータリー 日本 \777,000-
 販売価格は機種や楽器店により違いますので、興味のある方はお調べになってください。おおよそ20%程度は引かれる様ですが。

 驚きはJupiter のラインナップがかなり充実しており、価格的にも上がって来ていること。台湾製の安物と言って馬鹿に出来なくなっています。
 さて、私として幾らまでだったら出せるだろうか(もう買う気になっている)などと考え始めていました。
 「30万円か、いやそこまで出すんだったら40万、50万、、、いやいや私がまともにチューバを吹ける保障はないのだ。YBB-103だって結局はまともに吹けなかったのだ。いやそれは細管だったせいだ・・・」
 などとグルグル考えていました。その中で候補として残って来たのが、
J.Michael / TU-3000   (販売価\20万程度)
J.Michael / TU-5000   (販売価\30万程度)
The Marcato / TU-100L (販売価\40万程度)
St.Petersburg / 202N   (販売価\50万程度)

 でした。条件としては4ロータリーで即納。あとは、金額との兼ね合い。10万円の差にどれたけの決断が出来るか、です。
 高い金を出してまともに吹けなかったらまたゴミにしてしまうので安い方がいいか、安物でおかしな楽器よりちゃんとお金を掛けた方がいいか、人に貸す事になるんだったら高い楽器は困るな、などと考え続けました。
 最終的には、私はチューバを吹く時間が少ないので高い楽器を買ってもしょうがない、ということでJ.Michael / TU-3000にしました。ただし、実物を見て(可能であれば試奏して)酷い物だったら買わない、としました。

 それでもって東京に出かけ、楽器屋さん巡りをしたのですが、試奏できるチューバを置いてある楽器店は意外と少なく、ましてやJ.Maichelのチューバを置いてあるところは見つけられず、ある楽器屋さんで取り寄せていただき試奏する事になりました。「買わないかも知れませんよ」と言って試奏のためにチューバを取り寄せてくれるなんて普通はあるんでしょうかね? まぁ、さすがに何本も取り寄せて1本選ぶということは無理かも知れません。プロなら可能なのかな?
 一週間後にもう一度行って、試奏させていただき、気にする程の問題はないということで購入いたしました。まぁ、東京に2往復してお金は掛かりましたが、それはそれでコンサートを聴いたり別の用も足せましたから良しとしましょう。でも、ちょっと値切れば良かったかなぁと反省しております。

 で、購入した楽器がこれです。


 スリムなロータリーチューバですねぇ。音は、それほど酷くはありません。まぁ、私が吹いてですからあまりアテになりませんね。もうちょっと豊かな響きが欲しいかなという気もします。
 仕上げは、さすが中国製で、ラッカーの光沢がない(それならそれで全体がサテンゴールドならいいのに)所もありますし、メッキの汚いところもあります。ロータリーキー周りのネジも弛みやすいのか、演奏しているうちにカチカチ音がすることがあります。価格相応といえばそうなのかもしれません。
 先に購入したBT-950に比べ抜差管の動きはスムーズです。これは購入した楽器屋さんが発送前にメンテしてくれたためだと思います。
 マウスピースは付属の物ではナンですので、Bachの24AWを購入いたしました。

 そんなわけで、また楽器が増えてしまいました。こうなると、もっと欲しいのが吹く時間ですねぇ、、、いや、ホント。

 あれ、すっかり忘れてたけど、ユーフォ吹きがチューバを吹くことに関して皆さんの納得はしてもらえるのかしらん。

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