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229.これからどうする

2010.1.30


 ベートーヴェンの交響曲全曲吹奏楽化も一旦終了しまして、あとはその時々で気になった曲を編曲して行きますなんてどこかで書きましたが、まぁ、そんな状況です。(#38では次はどの作曲家で交響曲全曲をやろうかなどと書いていましたが、撤回です。)
 以前から気になっていたドヴォルザークの交響曲第1番第1楽章 を終え、シベリウスの「カレリア」組曲も終えました。11月末に「第九」が終わってから2ヶ月で2曲ということは、結構早い仕事ではないかなと自分でも感心しています。この後は、グラズノフの交響曲第5番第4楽章をやろうかなんて考えています。

 ベートーヴェンの交響曲は全曲を編曲することに意義を感じていたので、演奏されるかどうかは気にしていませんでした。ですが、おかげさまでと申しましょうか、第5番、7番などは多くの楽団様にお渡しすることが出来ましたので、何らかの形で音にはなっているでしょう。
 昨年「カルメン」組曲を自分で演奏してみたところ、やはり音になることは楽しいと思い、編曲するのだったら演奏したいという気持ちも強くなってきました。「カレリア」組曲は金管が目立つ部分があるので演奏したいと考える人もある程度いるかと思いますが、ドヴォルザーク交響曲第1番などとは皆無でしょうね。なにしろCDで聴く機会もまず無いでしょうから。グラズノフにしても吹奏楽的でいい曲だとは思いますが、人気の面から行って取り上げようという人はほとんどいないでしょう。
 そうなると、演奏される機会の見込めない譜面を作るということにモチベーションはあがりにくくなります。

 以前掲示板でお断りしたリクエストにお応えするということも少し考えてみましたが、私の性格からいって責任を持てないと思いやめにしました。

 話はそれますが、当初から悩んでいる「管弦楽曲を吹奏楽曲に編曲する意義」について、今までに述べていない(と思う)ことが、もう一点あります。それは、オーケストラであまり演奏されることのない名曲の発掘だと思います。
 プロのオーケストラでは興行という面がありますので、珍しい曲をやっても多くのお客さんを呼ぶことが出来ません。現代音楽のコンサートなど東京でも集客が良くないことが多いと思います。地方オケではなおさらです。ですから、プロオケが珍しい曲をやるというのは多くはありません。
 アマチュアオケで考えてみると、演奏機会自体が少ないですから、その中で聴衆に受けるか分からない珍しい曲を演奏するのは、かなり勇気が要ることです。
 しかし、演奏機会のほとんどない珍しいといわれる曲にも、名曲といわれておかしくない曲も多いのです。

 そこで吹奏楽が登場することになります。吹奏楽団の数はオーケストラに比べてはるかに多いですから、中には珍し物好きの楽団もあるでしょう。
 吹奏楽コンクールのプログラムを見てみると、どうやら大学の部や一般の部で珍しい曲を取り上げる団体が多い様に思います。その団体の指導者が自ら編曲する場合も多いですね。
 全国大会に出ればCD化され、多くの人がその曲を聴くことになります。オーケストラの場合CDは発売されていても買う人が少ないですが、吹奏楽コンクールのCDは多くの人が買います。そこで聴かれた曲が、それまでは知られていなくても、「いい曲だ」という評価がされ、翌年から取り上げる団体が増えるというのは良くあることです。
 吹奏楽編曲にはそういった演奏される機会の少ない名曲を広く知らしめる役割もあると思うのです。

 さて、話を戻しまして、私はこれからどうするか考えてみます。
 やっぱり隠れた名曲の発掘でしょうか。最近買ったCDの、ニールセン、スクリャービンの曲にこれは!と言う曲がありそうです。そんな風に、聴く人が少ないと思われる曲から編曲してみて、ひっそりどなたかに見つけていただくのを待つのがいいかなと思います。
 まぁ、最近感じてきた「演奏したい」という気持ちは、また抑えることになりますけれど。でも、どこかドヴォルザークの1番演ってくれないかなぁ。

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