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157.プログラムの問題Ⅲ

2008.9.21


 #145ではコンサートの選曲は全体の流れを考えた方がいいなぁ、ということを書かせていただきました。今回はもうちょっと具体的といいましょうか、突っ込んで考えてみたいと思います。相変わらず「休むに似たりに」なることは目に見えていますが。

 アマチュア楽団の吹奏楽コンサートのプログラム構成というと、二部構成か三部構成で、時間にして二時間程度というのが、多いのではないかと思います。部ごとに、「オリジナル曲ステージ」、「ポップスステージ」、「クラシック曲ステージ」などになっていることもあるでしょう。三部構成にしておいて、どの部もオリジナルとポップスとクラシックが混在しているというのはまずあり得ないですよね。二部構成においては、部当たりの時間も長くなりますので、両部とも三種混在もありえるでしょう。ブリティッシュスタイルのブラスバンドのプログラム構成はそうなっていますね。
 また、「ウチの楽団はポップスしかやりません。」とか「オリジナルしかやりません。」というところもあるでしょう。これはこれで楽団の方針が明確になっていてよろしいかと思います。

 ここでは、三部構成で「オリジナル曲ステージ」、「ポップスステージ」、「クラシック曲ステージ」を採用した場合について考えてみましょう。
 「オリジナル曲ステージ」「クラシック曲ステージは」については、以前に述べたように、同じような曲がだらだらと並ばなければ、大きな問題にはならないでしょう。
 最後に演奏する曲は、よく「トリ」といわれて盛り上がることが要求されるのは言うまでもありません。盛り上がらないと、お客さんもアンコールのしようが無くて困ってしまいます。以前そういったステージに乗ったことがあり、非常に気まずい思いをしたことがあります。そのときの「トリ」は、ヘンデルの「王宮の花火」組曲だったのですが、この組曲は最初の序曲はかなり盛り上がるのですが、終曲は短いメヌエットであり「この曲で終わりなの?」という感じでお客さんの拍手も中途半端になってしまいました。「トリ」は盛り上がらないといけません。

 「トリ」を含む第3部にどのステージを持ってくるかということも、考えどころになります。「オリジナル」または「クラシック」が第3部に来ることは特に問題は無いでしょう。「ポップス」を第3部に持ってくるのは、ちょっと抵抗があります。ポップスでトリを取ることについては問題ないのですが、三部構成の場合、第1部、第2部が、「オリジナル」「クラシック」と続いてしまうので、コンサート全体の流れとしてバランスが悪く感じてしまいます。というわけで、三部構成の場合「ポップス」は第3部に向かない、となります。

 同様に第1部に「ポップス」を持ってくるのも、多少のバランスの悪さを感じます。そうすると「ポップス」が一番落ち着くのは第2部ということになります。くどいようですが、三部構成においてはです。
 かくして、「第2部はポップスステージ」という図式が出来上がりました。

 ずいぶん引っ張ってしまいましたが、ここからが今回の本題としたいところです。この「第2部」をどのように作っていくか。

 単純なところでは、曲解説をして演奏してというシンプルなもの。照明を多少変化させるくらいの演出ですね。メンバーの紹介やら、インタビューなどが入ることもあるでしょう。あまり手間は掛かりません。演奏主体である構成といえるでしょう。お客さんからしてみると、堅苦しさが残っているような印象になるかもしれません。

 少し手を入れていくと、曲の成り立ちに合わせた演出、キャラクター(着ぐるみ)が登場したり、ステージにスクリーンを設けて画像を映したり、ビジュアル面のアピール度合いが増してきます。更に進むと、企画物となりストーリーが付いてお芝居をすることになります。こうなってくると、吹奏楽団の中に演劇班が結成されたりします。もっと進むと、第2部自体がミュージカルのようになってしまう、ということにもなります。それだけの実力のある楽団ならいいのですが、「演奏に力を入れませんか?」と思えてしまう楽団もあるかも知れません。
 成功すれば、拍手喝采ですが、逆に第3部の盛り上がりを食ってしまうかもしれません。そこまでやるなら、二部構成にして「ポップス」で「トリ」を取る方がいいでしょうね。

 というわけで、第2部というのは凝り出すと際限がなくなってしまうのですし、ある種の危険も持っております。

 で、なぜこんなことを書いたかというと、私は今回の駒ヶ根市民吹奏楽団の演奏会では企画係となっており、こういったステージ構成を考える立場にあるのです。まぁ、指揮者ということで選曲についてちょっと考えようかなと思っていた程度で、第2部の構成はお任せしようと思っていたのですが、そうも行かず、首を突っ込むことになってしまいました。昨年のアンケートを見たところ、第2部の「大変楽しかった。」というお声が多く評判が良かったのです。結構第2部を楽しみに来られるお客さんも多いようで、前回から比べて期待に背くようなことは出来ないような雰囲気なのです。
 というわけで、無い知恵を絞って第2部の企画構成を練る事になりました。

 内容は、当日のお楽しみということです。本当に楽しんでもらえるか不安はありますけれど。
 それはさておき、ステージにスクリーンを置いて画像を投影することになるのですが、その絵を描かなければなりません。通販で素材集を購入して、、、さて、どんな絵にしましょうか、、まだまだやることは多いのです。

 まぁ、どんなステージになるかは、10月18日に会場にてご覧になってください。あ、私の気持ちとしては演奏が主体ですから。 

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