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155. 5メートルの実力

2008.9.7


 ちょっと前に録音機を買ったと書いていますが、3月のことですのでもう半年になりますね。
 吹奏楽の練習での活用方法、合宿の晩にみんなで聴いてみるとか(今年は合宿がなくなってしまいました)、練習の合間に聞いてみるとか(やっぱり音を出す時間が足りなくて、聴いている余裕がありませんでした)、考えていたのですが、なかなか世の中上手く行きません。
 それでも録音だけはしようと、録音機は持ち歩いているのです。

 先日は、ホールを利用しての練習ということで、こういうときこそは録音をしておかなければならないということで、しっかりと準備して行きました。
 この手の録音をするときに、少々困った問題があります。演奏する場所と録音機を設置する場所が離れていると言うことです。ホールですと、演奏はステージ、録音機は客席の真ん中当たり、ということで距離にして15メートルほどありましょうか。問題というのは、録音機のスイッチを押すにはどうしたら良いかということです。気持ちとしては、演奏の直前に録音スタートしたいわけです。ところが、録音機は15メートル離れたところにあるのです。誰かスイッチを押すよう頼める人がいればよいのですが、全員が練習に参加しているのでそういう人はいません。
 スイッチを押すためにはだれかが、演奏の前に録音機のところまで行き、スイッチを押して戻ってこなければなりません。時間にして30秒程度は掛かるんじゃないでしょうか。30秒程度なら無駄と言う程のこともないでしょうが、やっぱりスマートではありません。

 なんてことを考えながら、録音機の取扱説明書を眺めていると、別売りオプションのところに「専用リモコンセット」というのがあります。いい物があるではないですか。これを使えば、ステージの上から客席の録音機へ向かって録音スタートのスイッチを押すことが出来ます。早速、注文をして翌々日には入手しておりました。

 そして、そのリモコンの取扱説明書を見てみると、仕様のところに「到達距離 約5メートル」と書いてあるではないですか。約5メートル、、、、リモコンと録音機の間の距離は5メートル程度までということですね。私としては15メートル欲しいのに5メートル。録音機の取扱説明書にもカタログにも、到達距離の仕様なんて書いてないのに、物を買ってから始めて判るというのも、後出しじゃんけんのようなもので気分の良いものではありませんね。
 というわけで、買ってはみたものの自分の用途には使えないとなりました。

 私の用途ではつかえないとなりましたが、この5メートルという距離、どういう場合に役に立つのでしょうか。まず、リモコンを使いたいという場合は、録音機と操作する人が離れている場合ですが、5メートル程度なら5~6歩歩いて手を伸ばせば届く距離です。それもままならない状態というと、楽器などを手にしていて動き回ることが出来ないということが考えられますが、5メートルというと室内楽程度の距離ですね。普通はもう少し遠くにマイクを置きたいと思います。あとは、スタジオ録音ということも考えられますね。
 もう一つ考えられるのがマイクスタンドなどによって録音機が手の届かない高いところに設置してある場合です。これなら確かにリモコンが必要になります。しかし、こういったケースがどれほどあるのでしょうか。

 ということで、約5メートルという仕様は非常に用途が限られたものであるという様に思えます。いったいどのようにしてこのような仕様が決められたのでしょうか。
 多分、、、リモコンに利用している赤外線センサーの能力で決まったんでしょうね。私も、メーカーの開発部門にいますので、その辺の事情は分かることもあります。

 世の中、なかなか上手く行かないものですねぇ。
 

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