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150.プログラムの問題Ⅱ

2008.8.2


 #145にてプログラムの問題として選曲と演奏会の構成についてを書きましたが、今回はコンサートに行くと渡される冊子の方のプログラムのお話となります。ちょっと訳があって、いつもの「です・ます調ではなく、「だ・である」調で書きます。

 私は現在、ある市民吹奏楽団で指揮者を務めている。学生時代より続けてきているが、音楽大学や先生に師事して学んだものではない。私が指揮を覚えたのは、学生時代の吹奏楽部にプロの指揮者が指導に見えておりその指導から得たことによる。最近では数々のコンサートに足を運びプロの指揮者を見ていろいろと学んだ。その他には、多くの本で勉強し、ある程度の能力を持っている自負している。

 市民吹奏楽団というところは、行事として定期演奏会を行っているところが多い。大抵の場合、年に一度のことでありかなりの労力を割いて取り組むものである。演奏会を作るには、演奏の他に多くのものを作らなければならない。パンフレットもその一つであるが、それに記載する記事について私にとって悩みとなっているものがある。

 それは指揮者プロフィールである。プロの指揮者の場合、学歴、師事した先生、コンクール入賞歴、話題となった活動、実績が書かれている。アマチュアであってもセミプロクラスとなると近いことが書かれている。私の場合、前述のとおり主だった実績がないので、書ける事はないことになる。しかし、プログラムに書く以上は見栄を張りたいと考えるのが人の常である。嘘にならない程度にどの位の事が書けるかを考えてみることとする。

 まず学歴と師事した先生であるが、正式にはない。しかし、学生時代の吹奏楽部ではプロの先生に指導を受け、その中で私は学生指揮を務めていたのは事実である。これは「学生時代、稲垣征夫氏の下で指導*を受け、指揮を務める。」と書くことは出来ないだろうか。少なくとも嘘にはなっていない。

 コンクール入賞歴はない。話題となった活動、実績については、現在取り組んでいる「ベートーヴェン交響曲全曲吹奏楽編曲」を挙げることが出来るだろう。これは、知る限り前例の無い事で大きなアピールポイントとなると考えている。書くとすれば、「近年はクラシック曲の吹奏楽編曲を数多く手がけ、特に2005年よりベートーヴェンの九つの交響曲すべての編曲に取り組んでおり、第8番までを完成させている。多くの吹奏楽団にその楽譜の提供を行っている。」となるだろう。更に「本日演奏される組曲『展覧会の絵』の編曲も手がけている。」と付け加えることが出来る。

最後にまとめとして、「本年度より、当吹奏楽団の指揮を務める。」としてみよう。これらをつなげてみると、編曲を通じて深く音楽に取り組んでいるという姿が浮かび上がってくる。

 しかしながら、やはり足りない部分がある。コンクール入賞歴である。指揮者コンクールは無理として、作曲コンクールであれば応募できるものがある。今後の課題としてはコンクール入賞をして経歴の重要ポイントとすることである。また、指揮そのものについてもレッスンを受け上達することを考えて行きたい。

以上の様に、指揮者プロフィールが真のものになるように研鑽を続けて行く。


 えー、読む人が読むとお分かりかと思いますが、ある種の文章となっております。文字数1200字の課題解決のための論文です。やはり1200字では深いところまで書けないものですね。

 さて、文中で稲垣征夫先生に指導していただいたと書いてありますが、これについては以前にお電話して「先生に指揮を教わったことにしていいですか?」と伺ったところ、「いいよ。」と快諾していただいております。まぁ、朝早かったので寝ぼけていらっしゃったような気がしないでもありませんが。とりあえず、嘘は書いていないということで。

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