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128.続・スコアの簡単製本

2008.3.1


 前回、スコアの製本方法を考えてみました。それでもって実際に自分でやってみました。曲は、ずっと以前に編曲してあったムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」です。スコアは全曲で134ページあります。
 やってみると、頭で考えただけとは大違いで色々とわかったことがありました。

 まずPDFファイルの印刷についてですが、Adobe Reader (ver.8.1.2)の印刷機能を見て驚きました。今更ですが。
 #123では、中綴じのための印刷について、「プリンタのユーティリティーやプリント支援ソフトなどで自動に設定してくれるものもあるとは思いますが、すべての人が使えるというものではないでしょう。」などと書いてしまっていますが、Adobe Reader の印刷ダイアログボックスの「ページの拡大/縮小」タブの中に「小冊子の印刷」というのがあるのです。この機能を使えば、中綴じ製本用の印刷が楽に出来てしまうのでありました。その他にも、1枚の紙に複数ページを印刷できる機能などもあります。私が色々気を使わんくてもいろんなパターンで印刷できたのですねぇ。知りませんでした。これからスコアを配布する際には、見開きで1ページではなく、1ページ毎のままのPDFファイルにしましょう。

 というわけで、印刷します。前回の製本方法の実施ですので見開きで印刷します。134ページですので半分の67枚のA3用紙を使いました。
 これを谷折します。なかなか正確に折るのは難しいですね。根気の勝負です。
 次に折り目付近を糊付けですが、ここでスティックタイプの糊が良いと書きました。糊を探しにホームセンターの文具コーナーに行ったのですが、ここでまた発見です。いまどきは、テープのりというのがあるのですね。修正テープののり版と言えばいいのでしょうか。糊付けしたいところをなぞると、糊が転写されると言うものです。スティック糊ですと、ムラになったりして、薄いところが剥げ易いことがありました。テープのりならばそういう心配はありません。ただ、ちょっとお値段が高いかなぁというところが欠点です。とりあえず、お徳用のパックがありましたので、使用するだろうと予測された本数、、、後で計算してみましょう。

 実際使ってみると、手は汚れないし、ムラにならないし、作業は早いし、文句なしでした。

 次に製本テープで背張りですが、これは特に変更はありません。スコアの厚みに合わせて製本テープの幅を選びます。

 そして最後に、掃く紙面の貼り合せですが、前回は両面テープでと書きましたが、ここもテープのりでやります。両面テープですと剥離紙を剥がすのがかなり面倒で、時間がかかってしまいます。やはりテープのりでしょう。
 これで、製本は完成です。前回考えていたより、かなり楽に出来ました。

 さてそれでは、テープのりは何本必要か計算してみましょう。
 1ページ貼り合わすのにA4縦で約30センチ、折り目付近とページの端の2箇所を糊付けしますので約60センチとなります。
 67枚を糊付けするのに66面分。表紙、裏表紙を合せると68面分の糊付けとなります。
 60センチ × 68面 = 40.8メートル
げっ、そんなになりますか。テープのり1本の長さは13メートルですので
 40.8 ÷ 13 = 3.14
3本では足りないのですねぇ。
 このテープのり、定価では1本420円(税込み)です。スコア一冊分の糊代が1680円ですか。やはり高価な気はしますね。まあ、糊付けの長さを半分にするとか、1/3にするとかして、節約するというものでしょう。


 さてさて、今まではスコアの製本だけを考えてきました。しかし、一方のパート譜はどうでしょう。
 「展覧会の絵」ですとパート譜ですら各々10ページ前後あります。演奏者に配布するに当たってはA4で1ページずつバラバラというわけに行かないでしょうから、やはり製本しなければならないですねぇ、、、、全部で50冊近く、、、。

 膨大な量のテープのりと、根気、体力が必要なのでした。 

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