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129.続・続・スコアの簡単製本

2008.3.8


 Adobe Reader の印刷機能に「小冊子の印刷」があることに気が付いたのを前回書きました。それではこの機能を使ってスコアを印刷、製本してみましょう。

 まず印刷です。印刷ダイアログを開き、ページ処理ページの拡大/縮小のプルダウンメニューから小冊子の印刷を選びます。その下の小冊子の印刷方法のプルダウンメニューでは、使用するプリンタが両面印刷に対応しているのならば、両面で印刷を選びます。私のプリンタの場合残念ながら両面印刷は出来ませんので、まず片面で印刷(表面)で印刷し、その後それらの裏面が印刷できるようにプリンタに再度セットし、片面で印刷(裏面)で印刷します。裏面を印刷するときは印刷方向を間違わないように、よく注意しましょう。
 このようにすれば小冊子形式で印刷が簡単に出来てしまいます。

 次は、ホチキス止めですが、中綴じ用ホチキスが必要になります。私の持っているのは、ETONA SWIVEL-2 というものです。
 
 これです。パッと見たところ普通のホチキスのように見えますが、ちょっとした機能があります。針の部分が30゜毎に回転するのです。90゜回転させるとこうなります。
 
 この状態で、二つ折りした折り目の上から上下二箇所留めれば簡単に製本出来てしまいます。
 
 この中綴じ用ホッチキスですが、1000円程度で買えた様な気がします。大きめな文具店でないと置いてないと思いますが、普通の文具屋さんでしたら取り寄せてもらうことは可能でしょう。

 中綴じの場合、ページの幅が内側の紙ほど長くなってしまいますので、ページ数が多く気になる場合は、裁断してページの横幅を切りそろえる必要があります。裁断機などは個人で持っていることはほとんど無いと思いますので、定規を当ててずれないように丁寧にカッターナイフ等で切りそろえます。

 このETONA SWIVEL-2の場合、26/6針(No.35)という針を使いますと、通常で24枚、90゜回転時で12枚を綴じることが出来ます。(SEBEK社ホームページによる)(針のパッケージには2~30sheetsと書いてあるのですがどちらなんでしょう)
 今回製本しようとしている「展覧会の絵」は134ページあります。表紙と裏表紙を入れると136ページで中綴じ製本するためには34枚の紙を綴じることになります。このホチキスでは綴じきれませんね。
 34枚の紙をいくつかに分けなければなりません。出来るだけ均等になるように、7枚を4つと6枚を1つというように5つに分けました。
 印刷の際には、1~28ページ、29~56ページ、57~84ページ、85~112ページ、113~136ページというようにページ範囲を指定して各々小冊子になるように印刷します。

 そうなると一冊にするためにはこの5つに分けたものをつなげなければなりません。この辺のノウハウがまだあまり無いのですが、やってみたことを書きますね。
 5冊を順番に並べ、ホチキスの針に糸を通しておきます。ここでちょっと道具を用意します。
 
 写真のように、細長い板とCクランプを用意し、5冊をそろえた状態で板にはさみCクランプで固定します。きっちりそろえるのが結構難しいですね。次に先ほど通した糸をたるまないように縛ります。これで一応5冊はつながった事になりますが、糸だけではの強度が心もとないので、接着剤を塗ります。
 ここで考えなければならないのはどのような接着剤を使用するかということです。ページを開け閉めしますので強度は必要です。しかし硬くなってしまうと割れてしまうこともありますので、弾力性のあるものが良いのです。こういう特性を持った接着剤は何があるのかというと、商品名を言ってしまうえば、セメダインのスーパーX2です。強度と弾力があり速乾性もありますので、これが最適でしょう。
 接着剤が乾いたら、製本テープを貼って、先に書いたようにページの幅を切りそろえれば完成です。

 前回の貼り合せ方式よりずっと短時間で出来ますし、スコアの厚みも半分になります。やはり道具があるということは大事ですねぇ。
 簡単といいつつ、ちょっと手間をかけることになってしまいました。

 パート譜も中綴じしてしまえば、それほど時間がかからないでしょう。ただ、通常のコピー用紙の場合、腰が弱いので、演奏中に捲り辛いということもあるでしょうから、少し厚めの紙を使ったほうがいいかもしれません。
 どこかのホームページで見たのですが、譜面に最適な紙を追求していらっしゃる方もいるようです。厚さ、強さとか色合いとか。
 何事も、奥が深いのですねぇ。 

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