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68.クラシック音楽への勧め

2007.1.7


 知人らと話をしていて、私がクラシック音楽好きだと言うことが分かると、「クラシックはとんな風に聴き始めたらよいか?」と尋ねられることがあります。クラシック音楽に興味があっても、どうやって取っ付いたらいいか分からないと言う方が多いのでしょう。
 そんなときは「決まりは無いんだから、何から聴き始めてもいいんですよ。」なとど答えたこともありましたが、あまりにも不親切でしたね。その聴き始めが分からないのですから。

 それから、以前から思っていたことですが吹奏楽をやっている人の中にもクラシック音楽を聴いていない人が意外と多い(演奏をするにもかかわらず)と言うことがあります。

 そういう訳で、今回は多少おせっかいとは思いながら、クラシック音楽への勧めをしてみたいと思います。もちろん、私の考える一例ですから、これらとらわれなくても良いと思います。

 私の場合は、中学校の吹奏楽部で演奏した曲から、その作曲家の別の作品、同時代の別の作曲家の作品、交響曲と付けば何でも、と言う具合に無計画に漁っておりました。自宅には安いステレオをやっと買ってもらったばかりで、クラシックのレコードなどは全くありませんでした。時々のお小遣いでレコードを買うのと、ラジカセでFM放送の録音することでライブラリーを増やしていきました。
 そういう訳ですから、偏り、聴かず嫌いも多く、大変有名な曲でも知らなかったりすることがあります。これではイカンということで、最近は聴かず嫌いを無くすようにしているのですが。

 このように私の場合は、中学時代からの長い年月をかけているのですが、大人になって今から聴き始めたいと思っている方には、もう少し効率のいい聴きかたを考えてみました。

 まず、書店へ行きます。街角の書店よりも品揃えの豊富な大きなお店の方が良いでしょう。音楽書のコーナーで、クラシック音楽の入門書を探します。「ゼロから始める、、、」とか、「さわりで憶える、、、」とか、多数見つけられると思います。あるいは、新書のコーナーで#39で紹介したあたり本を見つけてください。そして、違ったタイプの2冊を選んで買ってください。歴史的な流れを追ったものと、作曲家ごとに解説したものという感じで。
 この2冊を読むことで、クラシック音楽のおよその流れを掴むことが出来ると思います。そこで面白いと思った作曲家、曲などをいくつか選びます。

 さて、CDの購入です。これはもう安い輸入盤がお薦めです。現品はかなり大きなお店にしかありませんが、いまはネット通販がありますので、そちらから探してみてください。輸入盤の場合、日本語の解説はありません。曲の解説は、Wikipediaのクラシック音楽で見ることが出来ます。
 演奏者について迷ったときは、海外の大都市の名前の付いたオーケストラで、1985年以降の録音であればまず問題ないでしょう。かなり大胆な考え方ですが、何も判断基準がないよりましでしょう。
 この時期は、演奏云々よりも多くの曲を聴く方が大事ですから、演奏者、録音データについては気にしなくても良いと思います。

 有名レコード会社から出でいる「100枚セット企画物」などは、あまりお薦めしません。自分で曲を選んでいないので、結局無駄が多くなってしまうと思います。流行のさわりだけ100曲集めたものとか、全く価値はありません。

 とにかく自分で曲を選んでCDを買いましょう。30枚ほど(安く済めば2万円程度)聴けば、おおよその雰囲気は掴めるのではないでしょうか。

 ではズバリ作曲家名を挙げて、お薦めしましょう。

 チャイコフスキーから攻めて行きます。交響曲第4,5,6番、ピアノ協奏曲第1番、ヴァイオリン協奏曲など。
 次に同時代のドヴォルザーク。交響曲8,9番、チェロ協奏曲、スラブ舞曲集など。同じく国民楽派でリムスキー=コルサコフ。シェヘラザード、スペイン奇想曲。ムソルグスキーの「展覧会の絵」。オーケストラ版とピアノ版の聴き比べをしてください。
 時代を少し戻してブラームスの交響曲1,2番。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、ベルリオーズ「幻想交響曲」。
 ここまで聴けばベートーヴェンへ行きましょう。交響曲3,5,6,7,9番(全集で買っても安い)、ピアノソナタ 8,14,23番。ショパンのピアノ曲集を1枚。それからモーツァルト交響曲39,40,41番。J.S.バッハのオルガン曲集を1枚。
 チャイコフスキーから時代を下がって、印象派のドビュッシー、交響詩「海」。ラベルのバレー組曲「ダフニスとクロエ」第2組曲。
 ちょっと勇気を出して現代曲。ストラヴィンスキー「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」。ショスタコーヴィチの交響曲5、11番。

 これで30枚くらいになったと思います。あとは、自分の気に入った作曲家を追及するもよし、まだ知らない作曲家を聴くのもよし、道は見つけられると思います。

 そして、コンサートへ行って生の音を聴きましょう。ステレオでは聴けなかった音がきっと待っています。

 うーん、結局自分の好みをお伝えすることになってしまいました。だって、知らない曲については何とも言えませんもの。
 

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