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398.練習の進め方 その2 

2014.2.16


 一回お休み、一回別の話題を取り上げましたが、話を戻しまして練習について書いてまいります。

 とにかく指揮者という立場は、団員の皆様から目の敵にされてしまう場合もあるということを確認いたしました。そこで、指揮者としても団員の皆様との関係が悪くならないようにいろいろと考えるのであります。

 何に気を使うかと言えば、言葉づかいですね。私などは、思ったことをそのまま口に出しますので、反感を買うことも多いのです。
 例えば、ある奏者が間違えて演奏したとします。そこで「音が違う!♭落ちてる」とか言う訳ですが、これがいけないそうです。練習中、私も気が張っていますのでキツイ口調になることもあるのですが、そういうことだけではなく言い方としても、「もう一回、譜面を良く見て臨時記号に注意して演奏してみましょう。」とか言う方が良いそうです。
 あまり音楽的でない演奏について「ダメです。」と言うのもダメだそうです。「四拍目に重みを置いてから、次の小節の一拍目を揃えてはっきり演奏してクレシェンドして三拍目から徐々に柔らかく、その後ディミニエンドしてください。」などと、丁寧に分かりやすく言わざるを得ません。「歌って」の一言で済むと思うのですが。
 まぁ、私は学生時代には「違う」、「ダメ」、「歌ってない」、といった口調で指導を受けていたので、余り丁寧なことをいう指揮者の場合は「とろい」とか「時間がもったいない」とか思ってしまうのです。あぁ、確かに私も練習の進め方によって指揮者をちよっと否定的に見ていました。難しいものですね。

 それでも、出来るだけネガティブな発言を避け、前向きに捉えられるように話しているつもりですが、なかなか難しい物が有ります。人間性は出てしまいますからねぇ。

 「あの曲は嫌い。」「あれはいい曲ではない。」という発言もNGです。その曲を好きな人からみたら、まず嫌われます。私は良くやってしまいます。指揮者にだって得手不得手、好き嫌いはあるのですが、そんなことは顔に出さず演奏しなければなりません。奏者にしたって、全員が全員好きな曲があるわけでもなし、中には仕方なく演奏する曲もあるでしょう。それを口に出すかは人に寄るのでしょうけれど。

 その他は、やはり音楽については勉強をして間違ったことを言わないようにしないとか、努力は必要です。

 これだけ気を使っていろいろしているのに、団員の中では「特別な存在ではない。」と言われたりして…、疲れます。
 かなり、濃い愚痴になってきましたね。こういうことを書くから、嫌われるのでしょうけれどねぇ。

 あぁ、そうだ。タイトルにある練習法について少し書きましょう。
 私は、合奏の前には全員でトレーニングブックを使い、基礎練習若しくはウォームアップをしています。
 スケールでロングトーンをし、音階練習、タンギングの練習、アーティキュレーションの練習、チューニング、跳躍での音程確認、ハーモニーという内容です。日によっては、幾つか端折ることもありますし、練習開始時刻には団員の皆さんが揃っていないことも多いので、効果的かと言われると、難しいものもあります。

 ところがある人が言うところによると、「一般団体で基礎練習をしているところは無い」そうであります。一番は、時間がもったいないことに寄るのでしょうけれど、それ以前に個人で音がしっかり出せているということがあるのではないかと思います。
 私は、音出しが出来ていないうちに合奏を始めてしまうと、響きの悪い状態が常で曲の響きがそういうものだと思われてしまうのが怖いと思っているのです。いい響きで曲作りをするには、基礎練習やウォームアップは必要だと思っているのですけれど。

 これからも、どうするのが良い練習になるか、ずっと考え続けていくのであります。

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