直線上に配置

384.買い物 その2

2013.11.4


 ことわざから話を広げると「安物買いの銭失い」ということもあります。前回とは正反対に、分相応の楽器を買えばいいのに、金額をケチって安いものを買ってしまうのいうのですね。それが、安くて良いものであればいいのですが、そうは上手く行きません。大抵の場合、安物なりであり、結果的には「お金を出してちゃんとしたものを買えばよかった」と思うのであります。
 私の場合も、「楽器の形をしたオブジェ」と呼ばれる某中国製の楽器を2本買いました。購入当時はそれなりに嬉しかったのですが、今となってはそのブランドを人に見られるのが嫌で持ち出せなくなってしまいました。

 では、最初から相応の楽器を買えばよかったではないかというと、やっぱり買った後に「安いのを買った方がお得だったのではないか?」と悔やんでいるような気もします。ということで両方買って初めてどちらが良いか納得できるという、返って経済的ではない事になってしまったりします。いえ、そんな事はまだ無いのですけれどね。ちゃんと現品で試奏できれば、そんな博打のリスクも減るのですから、楽器を買うときは出来る限り試奏をしましょう。

 まぁ、そんな風に買ってしまった某中国製楽器も家では時々吹いているのです。人目につかなければ恥ずかしくないので、いつかは本物を買うぞと思いつつ…

 さて、私も人の親でありますので、買い物というと私の物だけでなく、子供に買ってあげるものもあります。この場合、費用対効果の効果の部分は、子供がちゃんと使用し、喜びを感じ、成果を上げることなになり、その姿を見て親が喜ぶところにあります。ということで、まずは子供がちゃんと使用しない事には効果は全くないことになります。買ったはいいが使用されないのでは話にならないのであります。では、使用するかどうかというのは、購入前の子供の意欲がどれだけ見られるかということになります。
 私などは、親にどれだけ欲しくて、手にした暁にはどれだけのことをするかと得と説得したものであります。実際、買ってもらったラジカセ、楽器などは壊れるまで使い倒したのであります。

 最近子供のために買おうか女房と協議したものにピアノがあります。子供はピアノレッスンに通っており、その先生にも是非アップライトピアノを買ってあげてくださいと、勧められていたものであります。私などは、電子ピアノのタッチがアコースティックに近く作られているもので充分だと思っていたのですが、先生が言うには「タッチは全然違う」とのことで、アップライトでないとならない雰囲気になっていたのです。

 それでうちの子は、というと感情を表に出さないタイプというのか、「欲しい」と自分から言わないのですね。あれば、しっかり使うであろうと思うのですが、先に行った『効果』の部分が確信が持てない状態でありました。
 で、『費用』の方はどうかというと、ピアノですからねぇ。価格.comで見て最安で40万弱。実は、夜の練習も考えるとサイレント機能は欲しいと思っているので、サイレント機能ありでは+20万円ほどになってしまいます。それほどのお金は、出せないなぁというのが本音です。音大方面に進む気が見えていれば、それなりの物は用意しても良いと思うのですが。そうでもないようですし。

 そんなときにあったのが、とある楽器店によるピアノ展示会。中古ピアノもあるということで、出掛けて参りました。行って見ると半分は管楽器が展示されています。えぇ、私はピアノそっちのけで、トロンボーン、ユーフォニアムを試奏しておりました。
 元い。ピアノの話です。そこに中古ピアノで、サイレント装置が付けられたものがありました。金額的にも無理のない範囲。外観はそれなりに傷はありますが、外に持ち出して他人が目に晒すものでもありません。自分らが納得していればよいのです。
 更に殺し文句。
「今日明日で決めて頂ければ、ここから10%御値引いたします。中古ピアノでここまで引くことはございません。」

 二週間後、めでたく我が家にピアノがやってきたのでありました。 

前を読む 『休むに似たり』TOP 次を読む



Copyright(C)2005-13 T.Miyazawa All Rights Reserved.

直線上に配置