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383.買い物

2013.10.26


 衣食住に関する生活必需品から、趣味・娯楽のための嗜好品まで「必要、欲しい」という物は購入することになります。購入のためには、お金が必要なわけで、どれだけお金を使えるかにより、購入できる物のレベルが決まって参ります。また、使えるお金に余裕がある場合でも、どの程度の金額を払うのが妥当かということを考えます。
 コストパフォーマンスとか費用対効果というものです。

 食事であれば、「美味しいものは食べたいが、今日使えるお金はこれだけ。」となり、使えるお金の範囲で美味しい物を買うのであります。場合によっては、値切ることにより費用対効果を上げることも可能でしょう。

 費用というのが用意できるお金であれば、効果というのは何になるのかというと、満足感ということになるでしよう。この満足感というのが多岐にわたっており、また人によって異なるという物です。
 食べ物で言えば、「美味しい」「栄養がある」「ダイエットに効果がある」「量がある」などであり、美味しさの感じ方は人により違うという物です。

 こういった、実質的な満足感の他に精神的な満足感という物も存在します。「希少価値のある物」「有名人が愛用しているもの」「長年の夢だったもの」など。こういった物は、大抵の場合高価であり、費用対効果を考えた場合、微妙な線に乗ります。或いは、明らかに費用の方が大きくなる場合もあるでしょう。そこで出てくるのが、虚栄心でありましょう。もう少しいい言い方をすれば、ステイタスを求める気持ちとなるでしょうか。

 さて、話を楽器購入に持ってきましょう。
 楽器を買うことにより得られる効果とは、何でしょうか。とりあえずアマチュア目線で。プロが求める効果とは、収入面が大きくなりますからね。
 まずは、演奏できることの楽しみを得られます。発表の機会が得られれば、聴いてもらう楽しみも。それから、練習を重ね技量が上達していく喜び。楽団などに所属すれば、合奏の楽しみも加わります。
 これだけの効果を得るためには、どんなに楽器でもとにかく入手しなければなりません。入門者用の超安価な楽器でも良いのです。ということであれば、費用対効果は非常に高いことになります。

 それが進んでいくと、新たな欲求が出てきます。「音色をよくしたい」「音域を広げたい」「速いパッセージを演奏したい」など。練習を重ねていけば安価な楽器でも不可能ではないですが、高価な楽器に変えれば容易に実現出来ることが往々にしてあるのです。
 そこで、いい楽器が欲しくなってくるのです。この辺りまでは、価格相応の性能の楽器を選ぶことが可能でしょう。

 更に進むと、前回書いたような楽器収集に走ったり、より高価な楽器を求める様になります。収集に関しては、収集欲が膨らんでくる物でありまして、オタク的な要素が多分に含まれてきます。初期は自己満足の世界で有りますが、これも進んできますと、蒐集家として認められたいという気持ちも出てくるでしょう。ステイタスを求める気持ちです。
 より高価な楽器を求めるというのは、そのものズバリです。「某有名高級メーカーの楽器を持つのがステイタスシンボル」であったりするわけです。

 しかしこれは、かなりの危険を伴っています。
「豚に真珠」「猫に小判」「馬の耳に念仏」「宝の持ち腐れ」…
やはり、相応の技量が伴っていないと、他人から見て無駄使いにしか見えないのであります。
 この辺は、自戒でありますなぁ。

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