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379.清水ミチコ賛

2013.9.21


 清水ミチコが好きであります。といいましても、ライブに欠かさず通うとか、関する記事を常に探しているとか、そんなコアな行動はせず、CDを数枚とTVで時々見かければ「いいなぁ。」と思っている程度です。まぁ、TVの仕事では、あの芸を見ることはあまりなくナレーションなどが多いでしょうか。
 と思って、今ウェブサイトを見てみたら、いろんなことしてらっしゃるのね。好きというのがおこがましいような気もしてきました。

 さて、私が清水ミチコを知ったのはいつだったか覚えていませんが、デビューCDであるところの『幸せの骨頂』(1987)を弟がレンタルで借りてきて「面白いものがある。」といって聴かせてくれたのです。確かに面白い。爆笑でした。レンタルCDでありますので、返却せねばなりません。カセットテープに録音し愛聴しておりました。
 しかし、当時カセットテープは使い回しするのが常でして、いつの間にか別のCDを上書きしてしまっていたのです。今になって、ふと思い出し聴きたいと思っても、聴けないのでありました。

 しかし、インターネットというものはやはりすごいもので、検索すると一部がYouTubeにアップロードされていました。最近のネタも知ることが出来ました。(ホントに好きだって言えるのかねぇ?)
 更に、Amazonで検索してみると、『幸せの骨頂』が売られているではありませんか。迷わずポチッと購入。2日後には入手できました。中古ではなく新品です。とっくに廃盤だと思っていました26年前のCDを新品で入手できるとは、感慨深いものがあります。

 早速聴いてみました。懐かしいですねぇ。ライブ収録形式をとっておりまして、若干照れながら物まねを披露しているところが、初々しく感じます。声も若いですし、ピアノも今に比べればミスタッチが多いでしょうかねぇ。ネタの方はさすがに、26年前の人々で現在では活躍されていない方もいて、時代を感じてしまいます。

 さて、このアルバムの中で白眉であると私が思っているネタが、
『放送特別音楽講座・オン・ピアノ』であります。(YouTubeで視聴することが出来ます)
 どんなネタかというと、「猫ふんじゃった」題材に、誰が演奏したらこうなる。というネタであります。
 最初は、普通の猫ふんじゃったを演奏し、ネタに入って行きます。松田聖子風~ミケふんじゃった~、五輪真弓風~化け猫~、松任谷由美風~イリオモテが死んだ朝に~、モーツァルト風、ベートーヴェン風、キース・ジャレット風、カール・ルイス改めベン・ジョンソン風~9.83~、以上であります。
 何が凄いかといえば、それぞれの特徴を良くとらえており(カール・ルイス改めベン・ジョンソン風~9.83~は速いだけですが)、本当に本人がやりそう(な訳ないか)なのです。特徴を捕え再現するところが凄いのです。音楽には、それぞれスタイルがあるということを改めて知らされます。そのスタイルを捕えることが、物まねやこういったネタに繋がっているのでしょう。
 最近のネタでは、ドリカム作曲法、松任谷由美作曲法、中島みゆき作曲法、井上揚水作曲法、さだまさし作曲法、森山ファミリー作曲法、スピッツ作曲法へと発展してきています。これらも非常にネタ元の特徴を捕えています。

 すべての芸術は模倣から始まる。しかし、模倣から始まった芸人は模倣で終わる。

 とは、清水ミチコが『幸せの骨頂』の中で言った言葉ですが、模倣に終わっていないのが清水ミチコなのであります。

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