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378.収録時間

2013.9.16


 少し前のTV番組で、「今の若い人たちが、レコードプレーヤーでレコードを再生できるか?」という実験をするのがありました。用意されたのは、レコードプレーヤーにシングルレコード用のアダプタ、メディアの方はLPレコード、SPレコード、CD、レーザーディスク、カセットテープといったものがあったと思います。
 実験されるのは10名。大体20歳前後の方たちだったでしょう。
 結果、レコードを再生できた人、0。
 見ていられないほど、めちゃくちゃな扱いをしていました。「針は大事にしないとすぐ壊れるんだよ~」と叫びたくなってしまいました。

 それはさておき。つまり、それほど現代の人はレコードとは何かを知らなくなっているのに、ここでレコードのネタを取り上げるのは如何な物か、と思いつつ取り上げているのであります。

 さて、今回のネタです。
 30年前の学生時代、長野市のディスクアカデミーというクラシック専門のレコード屋さんで衝動買いした一品。
 レナード・バーンスタインの自作自演集です。レコードが1枚2,800円程度の時代に3枚組で5,800円だったか…割安だった感も手伝って購入したのでありました。
 そして驚いたのが、収録時間の長さでした。大抵のLPレコードの収録時間は、片面23分程度、両面で46分。46分カセットテープに録音するのにちょうどよい時間でありました。90分のカセットテープなら片面に1枚のLPレコードが録音できたものです。


【BeRNSTEiN CoNDUCTS BeRNSTEiN / SOCZ 180~182 / CBS SONY】
RECPRD 1
交響曲第1番「エレミア」(25:33)
バレエファンシー・フリー(10:00 + 14:00)
シンフォニック・ダンス ウェストサイド物語(20:55)
RECORD 2
カンディード序曲(4:05)
交響曲第2番「不安の時代」(17:50 + 18:50)
プレリュード、フーガとリフ(7:50)
RECORD 3
ヴァイオリン、弦楽合奏と打楽器のためのセレナード(30:04)
交響曲第3番「カディッシュ」(8:10 + 34:50)
 * +印はSide A と Side B の切れ目

 レコードの面及び一枚毎の収録時間は、
RECORD 1 Side A 35:33 / B 34:55 計 70:28
RECORD 2 Side A 21:55 / B 26:40 計 48:35
RECORD 3 Side A 38:14 / B 34:50 計 73:04
 となります。RECORD 2 は、普通の収録時間ですが(とは言え45分を越えているのはカセットテープに録音するときには悩みそうです)、RECORD 1 と 3 は70分超えというCD並みの収録時間となっています。
 実際、私は70分を超えるレコードはこれしか知りません。これは凄いレコードです。普通なら4枚組、下手すれば5枚組になったのではないでしょうか。RECORD 3 Side A などは40分近いですからねぇ。

 そんな驚きのレコードでありましたが、内容もバーンスタインの交響曲が全曲収録されているという素晴らしいものです。これはいい買い物をしたという訳です。

 しかし、時代はCDに移り変わり、私のオーディオシステムからレコードプレーヤーが消えたのも以前書いた通りです。

 このレコードがCDでも発売されないものかと、淡い期待を抱いておりました。そして、1990年になったところでCDが発売されました。「ミサ曲」が加わって5枚組となっています。


【BERNSTEIN Conducts HIS OWN WORKS / CSCR 8409~13 / CBS SONY】
DISC 1
交響曲第1番「エレミア」(25:39)
交響曲第2番「不安の時代」(36:51)
DISC 2
交響曲第3番「カディッシュ」(43:59)
ヴァイオリン、弦楽合奏、ハープと打楽器のためのセレナード(30:26)
DISC 3
シンフォニック・ダンス「ウェストサイド物語」(21:00)
バレエ音楽「ファンシー・フリー」(24:10)
プレリュード、フーガとリフ(7:50)
DISC 4-5
ミサ曲

DISC1~3の一枚ごとの収録時間は、
DISC 1 62:30 / DISC 2 74:25 / DISC 3 53:00
 となっています。CDとしては逆に短いのではないかと思える収録時間です。まぁ、CDとしても入手できたのでこれは幸せと思っていたのです。

 しかし、ある時おかしなことに気づいたのです。曲順も入れ替わっていたので、気付きにくかったのですが。
 レコードには収録されていた「キャンディード」序曲がCDには収録されていないのです。「キャンディード」序曲はバーンスタインの作品の中では、「ウェスト・サイド」に次いで知られる曲であり、現在日本では『題名のない音楽会』でも使用されているほどです。そんな、名曲が収録されていないなんて。DISC3には充分余裕もあるのに…、何故でしょうか。不思議です。

 ということで、私は「キャンディード」序曲のCDを持っていない(吹奏楽版はあります)ことに気付いてしまったのです。いつかCDを買わねば。

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