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370.譜面発見

2013.7.20


 インターネット、ネットショッピングの発達というものは、大変驚きを与えてくれるものであります。入手を諦めていた譜面が入手可能になっていることを知ることが出来るのですから。

 さて、今回私が発見した譜面はフィリップ・スパーク作曲『ユーフォニアムとバンドのためのファンタジー』であります。
 この曲を初めて知ったのは、1982年頃のNHK-FM『ブラスの響き』で放送された時です。英国ブラスバンドとソロ楽器の特集だったと思いますが、ユーフォニアムのソロ演奏も聴けるとあって録音もしておりました。
 この曲は何が良いかというと、とにかくカッコ良い。カッコいいとしか言いようがない。語彙が貧困ですみません。
 ゆっくりな三拍子で始まり、長く続く和音の上でソロユーフォニアムがレティタティーヴォ風に演奏します。一転してAllegroになり、アクティヴなパッセージを展開します。曲はゆっくりな部分に移り、ソロとバンドが対話するように進行します。再び、レティタティーヴォ。そしてAllrgroになって曲を閉じます。全体で9分ほどの曲です。YOUTUBEに有りますので聴くことが出来ます。これも、インターネットの驚くべきことでありますが。
 スパークの作品としては初期に近いため、現在でも日本ではあまり知られていないと思います。

 いい曲だなぁ、と思っていた物の当時輸入楽譜の入手は困難でした。楽器店での扱いがあれば良いのですが、無い場合は探してもらうことになるのですが、2~3ヶ月もして返事が無いと、諦めてしまう物でした。
 次にとった手段は、ある先生を通じてプロユーフォニアム奏者の方を紹介してもらい、探して頂くということでした。その方は、よく海外から譜面を取り寄せているということで、直接お電話をしてお願いしたのですが、やはりお返事は来ませんでした。
 この曲の場合、録音はされたものの譜面の出版はされていなかったのかもしれません。

 それから30年が過ぎ、最近になってネット検索したところヒットしたのでした。ユーフォニアムとピアノのための譜面でしたけれど、自分で練習する分には充分です。よし買おうと思ったものの、その日はそのままネットを閉じたのでした。
 後日、注文しようと思い再度検索したらそのサイトが見当たりません。記憶違いだけかもしれませんが…。で、検索を続けているうちに、別のサイトに行きあたりました。
 G&M BRAND というサイト。このサイトでは、曲のスコア(PDF)と音源(mp3 or ram)のサンプルをダウンロードすることが出来ます。しかも、全曲分。大抵の出版社のサイトでは、スコアなら最初の数ページ、曲なら数十秒というところですが、このサイトでは全曲です。
 サンプルですのでスコアには、PERUSAL ONLY (読むだけだよ) とページ全面に印刷が入っていますが、音符を読み取れなくするほどのものではありません。さすがに解像度が低いので細かい文字は潰れて読み取れませんが、個人で読むだけなら充分です。
 このサイトでは通販はしていないようで、Buyボタンをクリックすると扱っている店舗が紹介されます。日本ではヤマハとテーヌ商会が有りますので、そちらから取り寄せることが出来るのでしょう。

 しかも、この譜面はブラスバンドのためでなく吹奏楽のために書かれておりますので、自分たちで演奏することも可能なのです。これは、嬉しいことです。

 嬉しいんだけれど… どうしようか。

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