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368.例えば、編成で

2013.7.6


 吹奏楽の編成についてのお話(愚痴っぽい)になります。編成については#73~#77に割としつこく書いていますけれど、そのお浚いのようなものです。

 あくまでも例えばの話です。えぇ、例えばです。

 例えば、ある吹奏楽団の定期演奏会で選曲をした際、それはそれはカッコいい曲が見つかり、団員の圧倒的支持を受けて演奏することに決まったとします。しかも、メイン曲として。
 次は、譜面の手配にかかります。最近は、輸入譜面の取り寄せ事情も良くなりまして、絶版以外はほぼ入手可能になっていますね。大手楽器店やネットショップなどに発注する訳です。
 そして、楽譜が届きます。そのスコアを見て愕然とすることがあるのですね。編成について。

 例えば、こんな編成だったとします。
 2 piccolos
 2 flutes
 2 oboes
 coranglais
 2 clrinets in E♭
 3 clarinet in B♭
 Alto clarinet
 2 bass clarinets
 contrabass clarinet
 soplano saxophone
 2 alto saxophones
 tenor saxophone
 baritone saxophone
 2 bassoons
 contrabassoon
 4 horns
 3 cornets
 2 trumpets
 2 tenor trombones
 bass trombone
 2 euphoniums
 2 tubas
 timpani
 percussion (4players)
 stringbass
 
 しかも、フルート、オーボエ、B♭クラリネットは各パートの中で更に、2つに分かれています。

 単純に1パート一人を充てたとしても、オーボエ4人、フルート4人、B♭クラリネット6人が必要です。オーボエ4人というのはちょっと無理な人数ですね。フルート4人、B♭クラリネット6人というのは、それほど無理な人数ではないですが、クラリネットは他に、E♭クラリネットが2人、バスクラリネットが2人、コントラバスクラリネットが1人必要なことになっています。かなり無理な感じがしています。コントラバスクラリネットを持っている吹奏楽団なんて、どの位の比率であるのでしょうか。

 その他には、バスーン2、コントラバスーン、コーラングレ(イングリッシュホルン)、辺りも無理でしょう。オーケストラ並です。

 レギュラーメンバーが30人そこそこの吹奏楽団では、到底演奏不可能な、編成の曲であるといえましょう。
 楽譜を買う前に編成が分かっていたら、諦めて買わなかったかもしれません(実際、編成が示されていることは良くあるのですが、購入時には余り気にしていなかったりします)。演奏できない無駄な譜面を買ってしまったことになります。

 しかし、この曲の場合、スコアを眺めているうちにあることに気づくのです。
 フルート、オーボエはパート数はいっぱいあるけれど、掛け合いになって分かれているだけで、1パートで連続して演奏することが可能です。
 コントラバスーン、コントラバスクラリネットはテューバに少し音符を足せばカバーできます。他のパートも、やりくりしていくと、なんとなく30人そこそこで演奏可能なパート数になりそうです。いやぁ、良かった。譜面を無駄にしなくて済みます。
 そこで、譜面を書くことが出来るメンバーの誰かが、その楽団に合わせた編成で、譜面を書き直すことになる訳です。

 もちろん、これは楽譜の改変に当たりますので、編曲行為であり、作曲者または権利者の許諾を得ていなければなりません。えぇ、そうなのです。

 作曲者も少しは考えてくれたらと思いますよ。演奏可能な団体が少なければ、その曲が演奏される機会も少なくなるではありませんか。収入に関わることです。
 オーボエやフルートの同一楽器での掛け合いに、どれ程の演奏効果があるのか。CDで聴く限り殆どわかりません。掛け合いの効果を効率よく出すためには、ステージ上の楽器配置まで指定する必要があるでしょう。
 低音楽器だって、音色の区別というのはし難いものです。コントラバスクラリネット、コントラバスーン、テューバの区別をする必要がどれだけあるのか。
 そりゃぁ、プロの吹奏楽団だったら効果はあるのでしょうけど。

 などと、編成を妄想して、妄想に対して愚痴っているのです。

 えぇ、本当に例えばの話ですから… 

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