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271.揺れる

2010.11.20


 私のようなアマチュア指揮者か第一に考えてしまうことは、「如何にカッコイイ指揮をしているように見えるか。」であります。と、言い切ってしまいましたが、真面目にいい音楽を作る事を考えている方が大半でしょう。それでも、カッコウは大切ですので考えていない人はいないと思います。

 いい音楽を作る = 見やすい指揮 ≒ カッコイイ指揮

 ということと考えましょう。カッコイイ指揮が第一と考えているのは私だけとして、でも、
 
 カッコ悪い指揮 = 見にくい指揮 = いい音楽できない

 ということは言えると思いますので、100%間違いではないですね。そういうわけで、私はカッコイイ指揮姿を目差しているのです。

 で、どうしてそんなことを考える様になったかというきっかけは、もう二十年以前になってしまうのですが、自分の指揮した演奏会のビデオを見て「ありゃ、カッコ悪いなぁ」と思ってしまったのです。その、かっこ悪いと思った動作とは、、、。

 体が左右に揺れるのです。たた揺れるといっても音楽に合って指揮の動作の一部となっていれば良いのですが、そうではなく、一定周期(3秒位)に体全体が揺れているのです。まぁ、これは私だけのことではなくだれてもあると思います。ちょっと、若干リラックスしてまっすぐ立ってみてください。しばらくすると、体が左右に揺れているのが分かると思います。左右に体重移動させてバランスを取っているのですね。微動だにせず直立しているより楽な姿勢であります。
 これが、指揮の最中に現れるのです。カッコ悪いです。

 以前、偶然見たテレビ(N響アワーだったかなぁ)で、ある将棋の名人(か、高段位者)が、ベートーヴェンの『英雄』第1楽章を指揮していたのですが、その姿が見事な棒立ちで、右手は正三角形を描くのみ、体はしっかり左右に揺れていたのです。これはカッコ悪い。まぁ、本業は棋士なので指揮がカッコ悪くても問題ないでしょうけれど。

 前回、カラヤンが「両脚を大地から生えたように微動だにさせず、上半身を少し前傾させたまま」という姿勢であったことを書きましたが、ヴィジュアルを気にしたカラヤンですので、体が揺れるのを嫌ってそのような姿勢をとったのかもしれません。あくまでも想像ですけれど。

 それで私はどうしたかというと、体を揺らさないように常に意識しようと考えたわけです。しかし、これはダメでした。音楽に集中できないし、なにしろ不自然な気分になります。

 上手い解決策が見つかりません。では、プロの指揮者はどうなのかとコンサートに行くたびに体が揺れているか確認する様になりました。さすが、プロの皆さんは下手に見える指揮はありませんでした。が、揺れる動きというのは全くないわけではありません。音楽に合った体の動きになっているということでしょうか。動きも派手ですし。

 そういうわけで、私としてはオーバーアクションすれば左右の揺れが目立たなくなるのではないかと考えたのです。(動きすぎて返って下手と言われそうですが)
 ただ、そのオーバーアクションが腰に来てしまったというのは反省点ではあります。

 今年の演奏会のDVDもそのうち見ることが出来ますから、また指揮姿の確認をして来年を目差したいと思っています。 

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