先日遅ればせながら、子供たちを連れて映画「のだめカンタービレ最終楽章前編」を観てまいりました。コミックスで言うと、#13 Lesson 72~
#17 Lesson 97あたりのお話でしたね。上映時間の関係でしょうけれど、省かれちゃったエピソードがいくつも有りましたが、それはそれなりに楽しめました。 「やっぱりオーケストラっていいよねぇ~」とか「玉木君、指揮が少し上手くなったねぇ~」とか、のほほ~んと観てしまいました。 数日後、映画の内容を思い返し大変な疑問に思いあたったのです。以前より何回か書いている、「フランスのオケは、チャイコフスキーの大序曲『1812年』の演奏はしない」、という出所不詳の話の事です。 映画では、千秋がルー・マルレ・オケの常任指揮者に就任するあたりから始まります。ハチャメチャなオーケストラをいっぱしのオケに作り上げていくお話なのですが、このときに演奏した曲が『1812年』なのです。ルー・マルレってフランスのオケでしたよね。この映画では、オーボエ奏者の茂木大輔さんや指揮者の飯森範親さんが監修をしていらっしゃいますので、あまりデタラメなことはしていないとは思うのですが。 コミックスの方では、この場面、ロッシーニの『ウィリアムテル』序曲、ブラームスの『ハイドンの主題による変奏曲』、ニールセンの交響曲第4番『不滅』を演奏しております。他に『1812年』が出てくる場面はあるかと全23巻をざっと目を通してみましたが、出てきませんでした。(見落としあるかな?) 映画が原作と違うことはよくあることなので大袈裟に騒ぐことではないのですが、フランスのオケで『1812年』は有りなのか? ということを確認したくなりました。 といっても、フランスに知り合いもいませんし、どうやって調べようかというと、結局ネット検索しかないわけです。 では、まずウィキペディアのチャイコフスキー『1812年』の項目。フランスでの反応は伝えられていないという記述しかないですね。 レコーディングの項目でもフランスオケの記述はないですが、これだけでフランスオケは演奏しないとは言えないでしょう。でも、フランスオケでの録音があれば珍しいこととして記述されそうな気もしますね。 次に調べたのが、発売されているCDに有るかどうか。HMVとタワーレコードのサイトで検索してみました。大体200枚以上のCDがあり、全部の演奏者を確認したのですが、明らかにフランスのオーケストラによる演奏の物はありませんでした。ただ、この曲はオムニバスCDに収録されていることが多く、演奏者が確認できないCDがかなり多くありました。どう判断しましょうか。フランスオケによる演奏は見つけられませんでした、ということですけれど。 フランス語圏ということでは、シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団での演奏があります。これは私も持っております。 最後に、そのまま「1812 フランス オーケストラ」で検索してみましょう。その結果、このようなブログを発見。 http://49907771.at.webry.info/200912/article_8.html ここに書かれていることによりますと、 雑誌「ラブ・クラシック」では、過去に2度だけフランス国内で演奏された記録があるという興味深いエピソードも披露されている。 とのことです。まぁ、その2度というのがフランスのオケか、フランス以外のオケかは分かりませんけれど。 いずれにしろ、フランスのオケが『1812年』を演奏することは皆無に等しいようです。 映画では、チャレンジャブルな設定として取り上げたのでしょうね。でも、実際映画に関係したフランス人の反応はどうだったのでしょうか。気になるところではあります。 【参考文献】 のだめカンタービレ #13,#16,#17 / 二ノ宮知子 / 講談社 ウィキペディア フリー百科事典 序曲1812年 こだわりの引き立てクラシックカフェ |