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232.聴き比べてみる(続き)

2010.2.20


 それでは、前回からかの続きで試聴に入って行きたいと思います。

 試聴に使用しましたCDは、

 左側が、NAXOS 8.572129 WILD NIGHTS! です。この中からCDタイトルでありますWild Nights!。吹奏楽オリジナル曲でメリハリのはっきりした曲で、打楽器群の音の粒立ちを聴くことが出来ます。木管の中高音の抜け、金管の重厚なハーモニーのクリアさも確認できます。録音は2008年という最近のデジタル録音です。それにしても、NaxosのWIND BAND CLASSICSはなかなかいい曲の入ったCDをリリースしますね。
 右側は、BRILLIANT 93777 Mendelssohon SYMPHONIES (COMPLETE)。メンデルスゾーンの交響曲全集から第1番第1楽章。演奏はニュー・フィルハーモニア・管弦楽団、ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、1967年の録音。元はアナログという古い録音ですが、古さを感じないクリアな音です。こちらのCDでは弦楽器の音色がどれ程クリアに聴けるかをチェックします。実は、先日の出張で「2,000円プレーヤーの音がいいぞ。」と思ったのはこのCDです。

 こんな感じに聴き比べをしたのは、学生時代にカセットテープを何種類か買ってきてやってみたなぁ、なんて思い出しました。結構違いがあって、安いテープはやっぱりそれなりの音なんだと分かったものです。

 今回の、聴き比べの条件としては、トーン・コントロール、イコライザ、エフェクトの類は全てオフして、素の再生音で行います。
 聴いている私がどのプレーヤか分からないブラインドテストで行うのがよいのですが、ヘッドホンのコードが短く近くにあるので行えませんでした。ですので先入観の影響は有るでしょう。出来るだけ排除したいとは思いますけれど。

 シリコンプレーヤ、ICレコーダで再生する形式は、WMA(160kbps)としました。SONY WALKMAN NW-S636Fに付属してきた、SONIC STAGE Ⅴにてエンコードしました。

 それから、試聴にはヘッドホンが重要です。付属のヘッドホンではいかにもダメ過ぎるだろうという機種もありますし、付属していない機種もあります。ということで、

PIONEERのSE-MJ3という機種であります。特に優れているという評判が有るわけではありません。確か3,000円はしなかったと思いますから。それでも、密閉型でありましてクセの無い一応の音がすると思います。
 ちなみに、出張で使っているのはSONYのMDR-NC22というノイズキャンセリング機能付きカナル型の物ですので、条件は違ってしまいますが、音質の確認にはやはり密閉型の方が良いと思っています。

 では、エントリーNo.1から

1. CDラジカセ Victor RD-M2
 この機種が、リファレンス的ポジションになるのではないとか思って聴き始めました。
 音が出る前の無音時に“サー”というノイズが入ります。再生中でも音量が小さいと分かりますね。低音域がやや篭るような感じがします。中高音は良いと思います。全体的には、もう少し伸びが欲しいとは思いますが、このクラスのラジカセとしては問題ないレベルだと思います。

2. CDプレーヤ TMY DS-CD216
 さて注目の2,000円プレーヤー。こちらも無音時のノイズがあります。1.よりは大きいです。それから、“ポツッ、ポツッ、・・・”というノイズも入ります。大手メーカーの製品だとしたら出荷できないレベルだと思います。どうも、旗色悪いですね。
 再生音の方は、低音域の篭る感じはないのですが逆にボリューム感が無いともいえます。中音域に若干篭る感じはあります。高音域は良いでしょう。全体的に伸びが欲しいとは思いますが、ノイズの件が無ければ、1.と大きな差は無いと思います。

3. シリコンプレーヤ SONY WALKMAN NW-S636F
 ここからWMA形式での再生になります。まず、無音時のノイズですが、全くありません。アンプによるノイズかと思っていましたが、CDプレーヤでしか出ないとなると、モーター駆動系のノイズということになりますね。一般オーディオ用のCDプレーヤがどうか気になります。
 再生音は、高音域が若干窮屈に感じますが、全体的にはしっかりした音です。エコーが掛かっているのか、若干濁った感じもあります。問題ではないでしょう。

4. シリコンプレーヤ Hitachi Living Systems HMP-X904
 こちらも無音時のノイズはありません。再生音は、全域に亘ってすっきりしてよく伸びた音になっています。低音が重くなりすぎないのは良いのですが、逆に言うと軽い音と捉えられてしまうかもしれません。私としては3.より好みの音になってしまうのですが。そうなると製品の品質が悪いのが残念になってきますね。

5. ICレコーダ OLYMPUS LS-10
 今回の5機種の中で、録音機能があるとはいえ最も高額な製品であります。無音時のノイズはありません。再生音は4.の後だったので低音域がやや篭るように感じてしまいましたが、その他全体的にはスッキリした伸びのある良い音です。5機種の中では一番良い音だと思います。いやぁ、完全に手前味噌みたいになってしまいました。
 ただ、ボタン操作時にノイズが入るのはよろしくありません。

 全機種の試聴が終わりました。差が現れたのはWild Nights!を再生した時で、メンデルスゾーンの時は差をあまり感じませんでした。弦のヴォリューム感のある響きは差が出難いのだと思います。出張時に2,000円プレーヤの音が良いと思ったのはその所為かもしれません。もちろん、バスの中という音響的環境が悪いところで聴いたため細かいところが聴こえなかったということもあります。

 一応、差が有るようにレポートしていますが、単品で聴けば再生音の良し悪しは分からないレベルでしょう。それから、イコライザ、エフェクトなどを使って自分好みの音質に変えていくことも出来る(ほとんど出来ない機種もありますが)ので、差は無いといってもいいでしょう。
 となると、ノイズとか品質が問題になってくるのですよねぇ。

 ここの所、オーディオについては興味を持っていなかった状態ですが、こんなことをしてしまったのでまたムクムクと気持ちがもたげてきました。ちゃんとしたオーディオ機器が欲しくなってきましたねぇ。来年度の予算に申請、、、など、、無理かな。  

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