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222.台湾の管弦楽CDの一

2009.12.13


 12年程前に仕事で台湾と日本を往復していたことがあった事は、すでに何回か書いております。その時の楽しみの一つに、ご当地のCDを買うことがありました。もちろん仕事で行っておりますので、空いた時間に街のCD屋さんやデパートのCD売り場に行く程度です。

 最初の内は、アイドル歌手のCDを買っておりました。日本のアイドル歌手のCDなどは絶対に買おうとは思わないのですが、不思議なものです。当時は1NT$(ニュー台湾ドル)が約4円で、CDの値段は300NT$でしたので、1,200円位の勘定になります。日本に比べてかなり安いですよね。ですので、気軽に買っておりました。

 そのうちに「台湾のオーケストラ曲はないものか?」と思いまして、一緒に仕事をしていた台湾の人に尋ねましたら、「無い。」という返事なのです。そんなことは無いだろうと思いましたが、確かに見かけたことがありません。まぁ、気にかけてみていたわけではないので見逃していただけかもしれません。
 ということで、次にデパートのCD売り場に行ったときに探してみました。

 なかなかそれらしいものが有りませんでしたが、ようやく次のCDを見つけました。




 ジャケットの表にはタイトルが無いので、背表紙とジャケットの裏まで載せました。CDのタイトルは「台湾歌謡交響詩系列精選集」ですね。(このCDは12年前に入手したものですので、現在も入手できるかは不明です。)

 「歌謡」という所がちょっと気になりますが、「交響詩」であり、オーケストラは上海交響楽団、指揮は陳ナントカさん(読めないんだもん)とありますので、オーケストラ曲のCDに間違いありません。演奏が台湾のオーケストラでないのが「おや?」という感じですが、まぁ、いいでしょう。
 ちなみに、このCDは「台湾歌謡交響詩系列」という10枚シリーズの中からのセレクションということで精選集となっています。10枚全部買うこともありませんし、セレクションなら有名な曲が入っているのだろうということで、この1枚にしました。

 早速、聴いてみました。CDドライブつきのノートPCを持って行っていたのですぐに聴くことは出来たのです。

 一曲目、「満山春色」  琵琶をソロ楽器にしたオーケストラ曲です。中国的なメロディーで、オーケストレーションもなかなかいい感じの曲です。こういう曲が聴きたかったのですよ。作曲者の表記が無いのがイマイチ理解できないところですが、いいCDを買ったかなという予感。

 二曲目、「我有一句話」  いきなり女性ボーカル。しかも演歌。あぁ、歌謡というのはこういう事なのですね。伴奏は確かにオーケストラですが、ポップスオーケストラになっちゃってます。

 三曲目、「満面春風」  こちらは、民謡を中国楽器をソロで演奏したような曲です。タイトルが一曲目と似ていますから、同じ作曲者かもしれません。民謡色が強いオーケストラ曲ということになります。この曲も良いです。

 さて、問題は四曲目、
「温泉郷的吉他」  前奏の後、女性ボーカルのメロディーが始まってのけぞりました。ポップス調になっていますが、このメロディーは聴いたことがあります。懐メロでよくかかる、ええっとなんて曲だっけ。歌詞まではよく憶えてないけど、、、「伊豆の山々~♪、、」とかなんとか、、。親父たちが喜んで聴いてた歌ですよねぇ。
 ということで調べてみますと、近江俊郎が歌った、野村俊夫(作詞)古賀政男(作曲)の「湯之町エレジー」であることが分かりました。1948年にヒットした曲ですね。
 まぁ、日本でも外国曲に日本語の歌詞をつけてヒットした曲も多いですから、そういう曲なのでしょうね。しかし、びっくり。

 五曲目以降も、演歌だったり、民謡調だったり、あんまり交響的でなくなっていきました。でもそう思って聴けば、それなりに面白いのでいいのです。

 次回も、台湾のオーケストラ曲を探した話が続きます。

【参考文献】
ウィキペディア フリー百科事典
「湯の町エレジー」

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