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220.ハノーヴァー・バンド

2009.11.29


 11月3日に新宿タワレコで何枚かCDを買ってまいりました。当初、メンデルスゾーンとシューマンの交響曲全集を購入するつもりて行ったのですが、思わぬチャイコフスキーの7番に目が眩み追加購入しております。そしてシューベルトの交響曲全集も購入したわけですが、こちらはすっかり頭から抜け落ちており、シューマンから棚を左に目を走らせたときに、シューベルトのコーナーを見つけ「そういえばシューベルトも買うつもりと書いてしまったっけ。」と思い出したものです。
 新宿になど滅多に来れませんので(と言いつつ月に1回は来ているなぁ)この機会に沢山買いたいのですが、予算的なものもあるので躊躇しておりました。まぁ、2,000円以内であれば買おうかと思い探し始めました。シューベルトの交響曲は8曲ですので、CDだと4~5枚セットでしょう。国内盤や新盤で2,000円以下は無理ですね。輸入廉価盤を探すことになります。
 ここで、考えることは「指揮者は誰で、演奏はどこか」と言うことです。聴いたことのある指揮者、オーケストラでしたら、後は録音年代をみて、判断が付きます。実際の演奏は聴いてみないと分かりませんが、ハズレは少ないと思います。ここで私がハズレと思うのは、オーケストラが下手糞という意味です。指揮者の解釈というのはそれほど気にしません。そういう考えもあるんだ、程度にしておきます。
 耳にした事のないオーケストラの場合、下手糞な演奏に当たる確立が高くなります。できれば避けたいものです。話の種にもなりません。

 で、このときの買い物は、シューマンの交響曲全集が、リッカルド・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽及びニュー・フィルハーモニア管弦楽団、1979年と1977年の録音。メンデルスゾーンの交響曲全集がウォルフガング・サヴァリッシュ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、1967年の録音。ということでメンデルスゾーンの録音はちょっと古いですが、まぁ、問題ないところでした。

 さて、シューベルトの交響曲全集です。耳にした事のあるメジャーオーケストラでは予算に合ったものがありません。そして、目に留まったのがこのCD。



 THE HANOVER BAND とあります。BAND? 吹奏楽団でしょうか? 吹奏楽団だとするとシューベルトの全交響曲が吹奏楽編曲されていたことになります。ひょっとして、このTHE HANOVER BANDが吹奏楽でベートーヴェンの交響曲全集なんかを演奏しているんじゃないか、、、などと言うことが脳裏をよぎりました。
 何か情報は無いものかとその辺りを見回して、棚に在った解説文を見つけ、どうやら古楽オーケストラであるということが分かりました。しかし、何でBANDなんでしょう。楽団という意味なら正しいですけれど、現在のイメージとちょっと違う感じですね。
 シューベルトなら古楽オーケストラで聴いてもよいか、と思い購入いたしました。録音年代は不明ですが、DDDとありますので、録音が悪いということはないでしょう。
 交響曲の番号が、『未完成』が第8番、『ザ・グレイト』が第9番で、第7番が欠番になっていますね。全8曲のはずなのに9番があるので、暫し悩んでしまいました。

 帰宅して聴いてみますと、これがいい演奏なのです。
 古楽オーケストラというと、若干貧相で刺々しい響きをイメージしてしまうのですが、痩せ過ぎることなくしっかり音が出ています。粒立ちのはっきりした、スッキリした音です。モダンオケのような、ロマンチック感や重さはありませんが、小気味良く軽快に鳴っています。モダンオケで聴きなれてしまった『ザ・グレイト』は若干軽くて違和感がないわけではありませんが、逆に新鮮に感じます。
 これは、いい買い物をしました。THE HANOVER BAND、気に入りました。

 ここでもう一点、別のことが気になってきました。シューマンの交響曲です。シューマンはオーケストレーションが下手で、編曲なしでは聴くに堪えないという定説になっています。実際にモダンオケでの演奏は、様々な指揮者が編曲、或いは手を入れて演奏しています。
 ところが、先日読んだ『ロマン派の交響曲』(金聖響+玉木正之 共著)で金聖響さんは、作曲当時のオーケストラで演奏すれば、シューマンの意図が読み取れ、決してオーケストレーションが下手だったわけではないことがわかるのではないか、と言っておられます。
 聴いてみたくなるではありませんか、シューマンの意図した響き。たしか、シューマンの棚でCDを探していたときに、THE HANOVER BANDの名前を見たような気がします。

 次に行ったときには、買ってきましょう。(通販でもいいんですけれどね。) 

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