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214.本番前の心境

2009.10.16


 「練習百万遍」ということを以前書きましたが、やはりアマチュアともなりますと、練習時間か限られており、本番前に満足な練習ができていないことも多いのであります。本番前の心境を考えてみますと、練習を満足に終え心配事が無い状態でいたいものです。

 一ヶ月ほど前、一応曲は通る様になり、残りは曲全体の雰囲気作りと、細かいところの仕上げ、と考えておりました。しかし、実はここからが手間が掛かるところであります。音楽つくりの上で一番大事なところです。プロであれば普段から叩き込まれていますので、当たり前のことなのですが、アマチュアともなりますと人によるバラツキも多くあります。
 一ヶ月あれば出来るかなと思っていたのに、あれよあれよと時間は過ぎ、あまり変わっていないなぁという雰囲気が漂ってきます。

 学生のころは、毎日みっちり練習をしていたので、練習をしたという満足感だけでワクワクして本番を迎えることができていたのですが、ここまで歳を取ってくると良い演奏をしなければならないという強迫観念に近いものも生じたりします。非常に焦ります。

 仕事などをしていてふと、「あの部分はどうなっていたろうか?」などと思ってしまったときには、譜面で確認することもできないので、心配が膨らみ仕事が手に付かない、なんてことも起きます。
 次の練習で、確認できて杞憂であったと安心できることも多いのですが、ハマってしまった場合、何度やっても上手く行かず、ただ焦りが募るということもあります。あとから思えば、落ち着いて考えればなんとも無かったということになるのですが。

 これが、個人の内に納まっているうちは良いでしょう。個人的なストレスということになりますから。しかし、一旦外に向けられてしまいますと、押さえが利かなくなることもあります。まぁ、指揮者は常にメンバーに向かって何やかや指示しておりますので良いのかもしれませんが(ホントはいろいろ気を使っているのですが)、いつも言われっぱなしのメンバーの皆さんは溜まりっぱなしです。いろんなパターンでストレスが滲み出て来るのですね。それで、バンドの雰囲気が怪しくなったりとか、しちゃうこともあるでしょう。

 さて、それでもホールに入っての準備が始まりますと、いよいよ俎板の上の鯉状態でありまして、開き直りや、高揚状態になって行きます。もう、なる様にしかならないと。同時に、重要な役割やソロを持っている人の不安は最高潮なのかもしれません。正直言って、私はソロ演奏前は逃げ出したくなりましたし、今後もやりたいとは思いません。ソロを演奏する方には頭が下がります。
 人それぞれの思いで、本番までの時間を過ごしているのでしょう。私のようなちんけな指揮者は自分の振り間違えだけが心配になります。あぁ、どうしよう。

 やっぱり、自信がもてるだけの「練習百万遍」がしたかったと、毎年思っている時期です。
 これが、本番前の心境なのです。ちょうど明日が本番なので、まさに今の心境といえましょうか。

 というわけで、次回は本番中の心境、本番後の心境などを書いてみようかなぁと考えております。それが書けるだけの精神力が残っていればですけれど。

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