直線上に配置

211.耳コピ

2009.9.26


 前回は更新が遅かったので、「もう、更新する日か!」と焦っております。ああいう連休というのは曜日の感覚が狂うので、ちょっと困ったことになりますね。と、関係のないことで行数を稼ぎまして、と。

 演奏してみたい曲があって、譜面が出版されていないなどで入手できないときは、自力で譜面を起こさなければならなくなります。どうするかというと、CDなど録音されたものを聴きながら、音を確かめて譜面に書き込んでいく、所謂「耳コピ」をするわけです。

 カラオケ業界では、新曲が出ると譜面が発売される間に耳コピで譜面を作り、いち早く配信するということを、何かのTV番組で見たことがあります。その番組では、そのときに必要になるのが絶対音感なのです、とか言っておりました。

 以前から言っておりますように、私には絶対音感というものがありませんので、この耳コピをするときには聴いた音を覚えて、電子ピアノなどで探って確認しているのです。探っているうちに元の音を忘れてしまったりして、効率は非常によろしくありません。

 一番最初に耳コピをしたのは、高専時代の定期演奏会企画ステージで演奏した冗談音楽、ピーター・シックリー作曲の「未開始交響曲」でありました。吹奏楽でいうと、ワルター作曲(編曲?)の「インスタントコンサート」のような曲で、クラシックの名曲が、ハモリながらメドレーで演奏されて、一体何曲登場しているんだろうという、驚きの曲であります。冗談音楽の最高傑作ではないかと思っております。(いや、本当はホフナング音楽祭の、オペラ「ホフナング物語」の方が空前絶後で、これ以上のものはないなぁと思っていますが、今回のネタとは関係ないので。)
 CDも発売されているようですし、こんなところで聴くことも出来ますので、是非腹を抱えて笑ってください。第3、4楽章となっていますが、シューベルトの未完成が第1、2楽章しかないことに対するパロディーなのですね。
 この、第4楽章を吹奏楽でやりたいと思い、耳コピを始めたのです。当時はカセットテープしかなく、巻き戻しと再生を繰り返しました。メロディーを知っている部分ならば、最初の音が拾えれば後は楽です。知らないメロディーの場合や、伴奏パートなどは、聴き取らなければなりませんので大変でした。まぁ、かなり時間をかけ何とか完成させたものです。

 もともと遅筆な私ですので、こういった作業をするということは、割と苦痛ではあります。よほど、やりたいという気持ちが強くないとやりません。

 次に(といっても昨年のことなのでごく最近までやったことはなかったことになるのですが)耳コピしたのが、ホフナング音楽祭から、「水道ホースと管弦楽のための協奏曲」。元はレオポルド・モーツァルトの「アルペンホルン協奏曲」なのですが、ソロ楽器がゴムホースだというもの。曲自体は、アルペンホルン協奏曲なので譜面を探し出せばよいのですが、見つかりませんでした。そこで、CDから耳コピしたのですが、この時は自分でも信じられないほど早く音を拾えました。絶対音感が付いたんじゃないかと思ったほどです。
 その後知ったのですが、この曲は第3楽章であって、まだ第1、2楽章があったのですね。そして、見つからなかった譜面も、独奏ホルンとピアノ譜というのを見つけることが出来ました。だだし、ピアノ譜をオーケストラにしなければなりませんので、そこは耳コピしなければなりません。
 実は、この曲まだ完成していません。ソリストに演奏させたいのですが、なかなか承諾しないので、困っております。

 そして、最近依頼された(とか言って、#192に書いてあるではありませんか)のが、とある曲。最初は音源だけもらって、メロディーから伴奏から全部音を拾えと仰る。しかも一週間で3曲以上とか。無理ですそれ。ということで、一旦は保留にして頂いたのですが、一曲メロディー譜を頂きまして、再チャレンジする破目ことになりました。
 現在の作業は、音をパソコンに取り込んで、波形編集ソフトで音を拾いたい所を繰り返し聴くことが出来ますし、さらにテンポを遅くすることも出来ますので、昔から比べれば随分と楽にはなりました。3分ほどの曲ですが、トータルで丸一日掛かって譜面にすることが出来ました。結構しんどかったです。また、次の曲とか行って、依頼が来るんだろうなぁ。。。

 まぁ、本当に絶対音感があればこういう仕事は楽なんでしょうねぇ。訓練していればある程度、能力は付くという気はしていますが、最近は根気がありませんし、記憶力も怪しいので、辛い仕事となっています。
 など、ぼやいてみますが、頼まれれば断れないのですねぇ。(いや、余程無理なものは断りますよ。)

前を読む 『休むに似たり』TOP 次を読む



Copyright(C)2005-9 T.Miyazawa All Rights Reserved.

直線上に配置