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208.花火

2009.9.5


 花火というと夏の夜空(秋にもありますけど)にドーンと上がる、光と音響の芸術であります。おもちゃ屋さんで買ってきて庭先で家族でやるのもありますが、今回はこちらではありません。
 各地で花火大会が催されまして様々な花火が競い合うように打ち上げられます。実際、花火業者の皆さんは競い合って美しい花火を造っているわけです。

 昔、と言いますか私の小さかった時分には打ち上げ花火は丸く開くものと決まっておりまして、色や大きさでその美しさを競っておりました。スターマインといういろいろなパターンの組み合わせを連発するシーケンスを楽しむものもありますし、仕掛け花火ともありますが、やはり王道は、大輪に花開くものでありましょう。
 大きさも様々ありまして、「尺玉」なんてのは昔は珍しかったものではありますが、最近では尺は当たり前、二尺、三尺なんてものも上がる様になっている様に思います。最大では四尺玉というものまであるようですね。

 さてその打ち上げ花火ですが、数年前より、妙な形の花火を観る様になってきました。土星の輪の形に開くものとか、某キャラクターの形に見えるものとか。これらは球形ではありませんので、見る場所によっては、妙にひしゃげていたり、線にしか見えないこともあるわけです。見る場所によって当たりハズレがあるというのは、以前では考えられなかったことですね。

 その昔、世間知らずのお坊ちゃんに、
「今日の花火を見る場所はラッキーだねぇ。全部ちゃんと丸く見えるよ。ちょうど正面で見てるからだね。あっちの方で見ると、横から見ることになるから、線にしか見えないんだよ。いゃあ、ラッキー、ラッキー。」
 など教えて、からかったもんですが、それが実際のことになってしまいました。

 先日も地元の花火大会を観ておったのでありますが、大きな花火が上がりますと、腹に重低音が響き、「花火は音がないと魅力は半減だねぇ。」と思わずにはいられません。そして、それほど大きくない花火では、そこまでの重低音はないのですね。当たり前のことですが。
 ビールを片手に「花火の大きさで、音程も変わるんだよねぇ。」なんてボケーッと考えていました。そこでふと脳裏をよぎった言葉が、

 音程が変わるんですよね。

 ということは、メロディーを演奏することは可能ではないでしょうか。今まで、花火の爆発音でメロディーを演奏したということは聞いた事がありません(私が知らないだけかも知れませんが)ので、出来たら世界初でしょう(特許取らなきゃ)。

 メロディーを演奏するためには、音階が作れなければなりません。音程は、花火の大きさで決まるのでしょうが、花火の大きさというのは、2号、3号、、5号、6号、、、10号(尺)、20号(二尺)、、いう様に決まっておりまして、音階として考えられているわけではないでしょう。ですので、まず、ドレミファソラシドが出せるそれぞれの花火の大きさを決めなければなりません。5号が10号のオクターブ上の音、なんていう単純なことではないでしょうから、いろいろな大きさで作って、いちいち音程を確かめなければならないでしょう。これは、きっと大変なことでしょうね。
 そのようにして、音程を出せる花火が出来ましたら、あとはメロディーのタイミングに合わせて打ち上げればよいのですね。こちらの方は、今でも出来ていますのでそう難しいことではないでしょう。
 花火でメロディーが奏でられるなんて、いい感じだなぁ、なんて思うのは私だけでしょうか。
 あとは、2発、3発を同時に鳴らすと和音になるかな? とかバカなことを考えてみました。ビールを飲んでいた所為でしょうかねぇ。

 しかしながら、そのうちどこかの花火師さんがやってくれないかなぁ、と楽しみにしております。

【参考文献】
ウィキペディアフリー百科事典 花火

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