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196.参考演奏

2009.6.13


 演奏会の準備の初期段階で、選曲が済んだあと譜面が入手され練習を開始しようという時期になると欲しくなるのは、参考とする演奏の音源であります。クラシックなどで有名な曲の場合は以前から持っているCDも多く問題は無いのですが、吹奏楽オリジナルとなると難しくなってきます。
 それでも以前に比べれば新譜のCDリリースも早くなっていますし、出版社がCDを同時発売したり、参考演奏として配布することもあるので、入手しやすくなっています。

 ミュージックエイトさんなんかは非常にいい取り組みをしておりまして、関連CDの取り寄せはもちろんのこと、ミュージックエイト出版の譜面については参考演奏やお客さんの演奏をウェブサイト上に無料で公開していらっしゃるのですね。
 私も若かった頃は、ミュージックエイトの譜面というのは、「安かろう、悪かろう」のイメージが強かったものです。ですから、CD化される曲など全く無く、参考になるような音源は無かったのです。もっとも、歌謡曲やホピュラーばかりだったのでオリジナル音源の入手は容易でしたのですけれど。
 最近では、質の高い編曲も多くなってまいりまして、コンサートの選曲には無くてはならなくなっております。

 というように、吹奏楽音源の入手性は良くなってきているのです。

 しかし、輸入譜面でそれほど有名でない曲の場合、音源の入手はほぼ無理となってしまいます。だからといって選曲から外すわけにはいかないですよね。

 そもそもどうして参考演奏が必要なのでしょうか。答えは簡単。譜面を見ただけでは、音のイメージがつかめないからです。私が絶対音感を持っており、譜面を見ただけでオーケストラの音がホワーンと浮かんでくれば問題ないのです。でも、それはできないので、まずはどんな曲なのかの参考演奏が欲しいのですね。できれば、複数の演奏を入手して、譜面と見比べながらどのような解釈をすべきかを考えたいものです。一種類の演奏だけでイメージが固まってしまうのも問題です。
 ちょっと話はそれますが、コンクールの課題曲にも参考演奏というのを入手することができますよね。あれも、ずっと昔は模範演奏といっていたと思うのです。ただ、あの演奏も解釈のひとつということで、いつの頃からか参考演奏と呼ぶようになったと記憶しております。(確固たる証拠は無いですけれどね)

 さて、「参考演奏は欲しい、でも手に入らない。」というときにはどうしたらよいでしょうか。
 私の持っている手段としては、MIDIで打ち込んでPCで再生させるということがあります。これまでも、編曲した曲を雲吹定期演奏会として公開しておりますので、あの程度の音源は作ることは出来るのです。あの程度なのです。音楽的な表現としてはかなりチープであるといわざるを得ません。
 ネットでMIDIを公開されている方の演奏の中には、本当にMIDIですか?と思えるほど、リアルな音を出しているものがあります。私にはそこまでのテクニックは無いなぁと感心してしまいます。私も、一応MIDI打ち込みテクニックの本は買って持っていますが、中身を見るとそれはそれは大変な手間が掛かるようであることがわかります。吹奏楽のようにパート数が多いと本当に大変です。

 今回の演奏会の選曲の中にも一曲音源の無いものがあり、ちょっと困っています。まぁ、MIDI打ち込みテクニックを磨くために、ひとつやってみますか。やれやれ。

 そうやって、『第九』編曲が遅れていくんだなぁ、、、、

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