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185.ついにやった

2009.4.1


 とある方から、譜面希望のメールをいただきました。差出人を見てちょっとびっくり。比較的有名なCDも発売している出版社でした。メールには話の概要と「メールだけでは伝わりにくいこともあるでしょうから、直接電話下さい。」といって電話番号も書かれておりました。
 まぁ、いたずらということもあるでしょうから、と思い、その電話番号をネット検索してみますと、まさしくその出版社がヒットいたしました。
大抵私がメールを見るのは夜ですから、即電話をかけるにはよろしくありません。といっても昼間は会社勤めをしておりますので、おいそれと掛けられるものではありません。メールの返信で「土曜日にお電話差し上げます。」としておきました。

 話の概要というのは、ベートーヴェン交響曲の吹奏楽版のCDを企画しているので譜面を見たい、というものでした。

 「おおっ、やったぁ。」という感じではありませんか。苦節四年にしてこのようなオファーが来たのです。しかも、あの出版社から。さて、土曜日の電話はどうしようかと、興奮気味にあれこれと妄想を膨らませておりました。

 いよいよ土曜日になり、震える指を押さえつつ、ボタンをプッシュします。程なく、その御担当様の声が聞こえてまいりました。
 話の詳細としては、「ベートーヴェン交響曲全曲の吹奏楽CDがをしたい、市販譜面は出ていないし、今から編曲を著名な編曲者に頼んでも時間が掛かると思っていたところで(例のウィキペディアの線から)このサイトを見つけた。全9曲がほとんど終わっているので、時間も掛からないだろうから、しばらくしたら全曲欲しい。」ということでした。
 私の方としては、「非常にありがたいことなのですが、何しろ素人が知識もなく並べた音符ですのでご期待に沿うことができるかはわかりません。」とお応えしました。すると先方は、「演奏はあの吹奏楽団ですから、どんな譜面でも演奏できますよ。もちろん、直すべきところはお知らせして修正のうえ、演奏しますから、あなたにとっても勉強になるのではないのではないですか。」ということをおっしゃって下さいます。
 そういったわけで、全曲のスコアとパート譜をしばらく先に用意して、お渡しすることに至りました。

 更に驚くことに、「どうせそこまで譜面を作ったんだったら、指揮もしてみませんか。」などとおっしゃって下さいます。さすがにそれは冗談でしょうと思ったのですが、特に問題ないということで、話はとんとんと進んでしまいました。

 いやぁ、今これを書いていてもドキドキしてきましたよ。
 
 編曲者デビューというより、指揮者デビューという方が話がデカイんじゃないでしょうかね。しかも、あの吹奏楽団を振れる訳ですから大変なことです。大丈夫ですかね、私は。実は見知らぬ人の楽団を振るというのが大変苦手なのです。雰囲気が作れないというのか、必要以上に緊張してしまうというのか。まぁ、これもプロへの道というわけですから、通らずには行かないことでしょう。

 さて、そうなると会社もやめなければなりません。収入はどうなるのでしょうか。よくプロになったとたん、食えなくなったという話も聴きますし、、、まぁ、この世界、入ってしまえば何とか食っていけるもんだよ、とおっしゃっていた先生もいらっしゃいましたが、、、。

 ということで、あと一年ほどしますと、CDが発売されまして、晴れて私が指揮者デビューするということが決まったわけです。いゃあ、実に楽しみですね。


 以上、4月1日のネタでした。

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