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176.フェルマータ

2009.1.31


 フェルマータベールマークに似ている

 いえね、別に意味は無いのですが。多分、小学校の音楽の時間に最初にフェルマータという単語を聞いたときに「ベルマークに似ているな。」と思っただけのことです。私の中ではフェルマータと聞くとベルマークを連想するというだけのお話です。


 フェルマータって蛙の目に似ている。

 だってほら、こんな形してるじゃないですか。

これを二つ並べると、

蛙の目に見えるでしょう。薬屋さんの店先にあったケロヨン人形の目がこんな感じだったのですね。


 ある時、女房があるブログを見ながら私に問いかけてきました。
「フェルマータってどれだけ延ばすの?」
「曲や解釈によって変わってくるから、決まってないんじゃないの。」
と、私は答えたのですが、女房が言うにはそのブログに書いてあることは、
 小さい頃からピアノを習っていて、学校でも成績の良い子がおりました。ある時、学校の音楽のテストで「フェルマータの意味を答えよ。」みたいな設問があったのです。その子は、「その音を延ばす」と回答したのですが、結果はバツだったというのです。で、正解は「その音を2倍に延ばす」だったそうです。その正解に対して非常に不満であると、、、。
(うろ覚えのため出典不明です。すみません。)

 私も確か小学校では「その音を延ばす」であって、2倍という具体的数字は無かったはずです。現在楽典を見てみても、

 その音符・休符の長さを任意に延長することを示す。
 延長の長さは一定していない。曲想によってまた演奏者の解釈によって決められる。しかしおよそ比較的長い音符のときは約1倍半から2倍くらい、短い音符のときには約2倍くらい延長する。


 とあります。「約2倍くらい」というダブった表現はいかがなものかという気はしますが、きっちり2倍とは言い切られていません。
 ちなみにもう一冊、「演奏のための楽典」という本も見てみましょう。

 音符や休符に付けられたは、適当な長さだけ拍子を停止します。その度合いは演奏者の判断にまかされるもので、の記号の付いた音や休符は、2倍に伸ばすという考えは、これも不適当です。

 「これも」といっているのは、前段で「延長記号」という日本語訳は不適当だと言っているからです。拍子を止めるので、その結果、音や休符が延びることになるわけです。フェルマータというイタリア語の意味は調べていただければお分かりになるかと思いますが、「停止」ということになるそうですね。バス停のことをフェルマータというとか。

 では、なぜテストで「2倍」と書かないとバツになってしまうのでしょうか。これも不確かな情報で申し訳ないのですが、文部科学省の定める標準にあるようなのです(今度中学校の音楽の先生に聞いてみましょう)。
 普通に音楽を学んでいれば、2倍に固定なんて事は考えられないのです。バツをつけた音楽のセンセイも、おかしいと思わなかったのでしょうかね。まぁ、文部科学省の方で、曖昧な教え方は出来ないとか考えて、2倍と決められてしまったのでしょうか。どうなんでしょう。
 円周率を3で教えてしまうくらいですからねぇ。

 まとまりが付かなくなってしまいましたが、今回はこの辺で。

【2009.2.7追記】
 お世話になっている中学校の音楽の先生とお話をする機会があったので伺ってみました。答えは、
「そんなことを教えている時間は無え。」
そんな、実もフタもない、、、。意味としては「停止するという意味だからね。」と当然正解をおっしゃっていましたが。

 ということで、私のうろ覚えも、「ピアノ教室の方が2倍と教えたのか?」という気もしてきました。ますます、すみません。

【参考文献】
楽典 新訂 / 池内友次郎 外崎幹二 共著 / 音楽之友社
演奏のための楽典 正しく解釈するために / 菊池有恒 著 / 音楽之友社 

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