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172.年明けといえば

2009.1.4


 ニューイヤーコンサート。ニューイヤーコンサートといえばシュトラウスであります。シュトラウスといいますと、シュトラウス一家というほどいろんな人がおります。
 ヨハン・シュトラウスⅠ世、ヨハン・シュトラウスⅡ世、ヨーゼフ・シュトラウス、エドゥアルド・シュトラウス、リヒャルト・シュトラウスなどであります。いや、最後のリヒャルト・シュトラウスは一家とは関係ないですから、信じないでくださいね。ただ、ボケただけですから。


 私が一番好きなのは、もちろんリヒャルト・シュトラウスでありまして、ニューイヤーとは関係ありませんがエピソードを一つ二つ。

 ずいぶん以前に読んだ本(立ち読みだったかもしれません)なので何という本だったか憶えていないのですが、リヒャルト・シュトラウスが船旅の途中で新聞記者に囲まれて取材を受けておりました。いろいろな質問がされましたが、ある記者がした質問に「『美しく青きドナウ』は何歳のとき作曲されましたか?」というのがあったそうです。リヒャルトシュトラウスが何と答えたかは書いてありませんでしたが、新聞記者はちゃんと勉強しておけと言いたくなりますね。

 リヒャルト・シュトラウスの交響詩に「英雄の生涯」という曲があります。これは、自身を英雄になぞらえてその生涯を描いた自叙伝的な曲であります。85歳まで生きたリヒャルト・シュトラウスの34歳の時の作品ですので、人生を振り返ったわけではないでしょう。むしろ自分を英雄としてしまうところが、大変な人ですね。
 ヨハン・シュトラウスⅡ世にも似たような曲名の曲があります。ワルツ「芸術家の生涯」。この曲も、ヨハン・シュトラウスⅡ世自身の生涯を音楽的に描いたものといわれております。
 時代的にはリヒャルト・シュトラウスの方が後ですが、やっぱり真似したのでしょうかね。対抗意識があったのでしょうか。

 えー、シュトラウス一家の方をネタにしようと思ったのに、リヒャルト・シュトラウスの方ばかり書いてしまっております。
 シュトラウス一家についてですが、一番有名なのが、ヨハン・シュトラウスⅡ世であり「ワルツ王」と呼ばれております。先ほどの「美しく青きドナウ」とか、「ウィーンの森の物語」、「皇帝円舞曲」、喜歌劇「こうもり」、他にポルカ多数、など多くの作品を残しております。Ⅱ世というからにはⅠ世が居るわけでして、ヨハン・シュトラウスⅠ世がⅡ世の父親であり「ワルツの父」と呼ばれております。その割には知られている曲は「ラデッキー行進曲」くらいですね。圧倒的に息子の方が有名です。
 「ワルツ王」、「ワルツの父」と言われているくらいですから、仲が良さそうですが、実際は非常に仲が悪く家庭崩壊していたようです。
 ヨーゼフはⅠ世の次男、エドゥアルドは三男のようですね。ほとんど有名な曲はありません。

 先日書いた「名曲百選をどれだけ知っているか」に、「CDだけはありますけどぉ」みたいな書き方をしましたが、実は私はこのシュトラウス一家の曲は好きではないのです。
 まず、ワルツが貴族のための音楽だということ。私ら庶民には縁のないものでございます。よく知らないのですが、映画などで宮廷での舞踏会などを見ると絶対に庶民とは縁がない世界だと思いませんか。
 次に、甘く軽いメロディー。聴いてて気分が悪くなります。ポルカなんかはまだマシですけれどね。何しろ軽薄極まりないと思います。
 それから、ウィンナワルツの妙なリズム。三拍子なのに、2拍目が早く出て、3拍目がちょっと遅れるとか。テンポやリズムは機械的ではないよ、ということは分かりますが、あそこまでズレるんなら譜面を書き直せと言いたくなります。

 それてもって、ニューイヤーコンサート。しばらく前は東京でコンサートへ通っていたのですが、1月という月はとてもつまらないのです。どこもかしこもニューイヤーコンサートでシュトラウスばかり。少なくとも1月15日は過ぎないと普通のプログラムに戻らないのですねぇ。それまでが何と待ち遠しかったことか。

 とかなんとか、思っておりましたが、せっかく買った315円のロイヤル・フィルハーモニック・コレクションのシュトラウスのCD。そうは言ってもということで聴いてみました。さすが、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団。明るく元気なチャキチャキした演奏でした。まぁ、それはそれで良いではありませんか。

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