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161.『展覧会の絵』とのお付き合い

2008.10.19


 私が『展覧会の絵』という曲名を知ったのは、漫画からでした。今から30年前にもなります中学生時代に読んだ、つのだじろう作の「恐怖新聞」です。所謂、ホラー漫画です。結構流行ってましたね。どんなストーリーだったかよく憶えていませんが、ある学校での校内ピアノコンテストで演奏する人が別の曲を演奏予定にもかかわらず、全員が「展覧会の絵」を演奏してしまうという話だったと思います。ちょっと考えてみると全曲30分を全員が演奏したら大変な時間になるのですが、どこか一部分だけだったのでしょうかね。

 当時私はまだ吹奏楽部に入ったばかりで、クラシック曲を聴き始めた頃。「展覧会の絵」についてはまだ聴いていませんでした。そこで購入したのが、ジュリーニ&シカゴ響の1976年録音のレコード。それからピアノ版をリヒテルの1958年のライブ録音のレコード。

 中学を卒業し高専へ行ってからは、富田勲のシンセサイザー版、清水和音のギター版、フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルのブラスアンサンブル版などを入手しております。
 このころ、私も金管アンサンブルの編曲などを始めており、バリテューバアンサンブル{ユーフォニアム(2)、テューバ(2)}のために、プロムナード、古城、ヴィドロの3曲を編曲しております。自分たちで演奏しておりました。

 社会人となってからは世はCDの時代となっており、松居直美のパイプオルガン版を購入。EL&Pのロック版もどこからともなく入手。多分友人からもらったカセットテープのため、いつの演奏のものだか不明なのが残念です。

 吹奏楽版については、サイモン・ライト編ロンドン・シンフォニック・ウィンド・オーケストラのもの、ハインズレー版を原調に戻した航空自衛隊航空中央音楽隊のものを入手しております。

 また、演奏の方では長野高専吹奏楽部の定期演奏会(20年程前かと思います)にOBとして参加した際にハインズレー版をユーフォニアムで演奏しております。ヴィドロのソロについては現役学生が吹いたので私は隣で指をくわえて見ておりました。

 その後、オーケストラ版CDは、デュトワ&モントリオール響、ジュリーニ&ベルリンフィル(1990年録音)を入手しております。

 オケ版生演奏については、3回聴いております(東京都交響楽団、国立音楽大学、豊島区交響楽団)。

 さていよいよ、私の吹奏楽版編曲に付いてですが、1999年に音楽之友社からミニチュアスコアが発行されたことにより開始されます。それまではミニチュアスコアはブージー・アンド・ホークス版が出版されておりましたが、輸入版ということで高価であり買うのをためらっておりました。音楽之友社版が出たことと、パソコンソフトにより譜面作成が手書きに比べ格段に容易になったために着手することにしました。1999年晩夏の頃だったと思います。

 当時のPC環境はFujitsuのFMV-S167をオリジナルではCPU:Pentium 166MHzだったのをAMD K6-233に乗せ変え、OSはWindows98にしておりました。楽譜編集ソフトはOverture2です。スキャニングソフトはKAWAIのスコアメーカー2.0を持っておりましたが、変換精度が悪かったので使用しておりませんでした。ということで、音符はすべて手入力で行ないました。今のように、一旦オーケストラ版スコアを完成させてから吹奏楽に編曲するのではなく、いきなり吹奏楽版として頭で考えながら音符を打ち込んでいきました。
 Windowsのかなりの確率でフリーズするという不安定さに耐えながら、約二ヶ月で一旦完成します。これをVer.1とします。その直後内容を見直し、手直ししたのがVer.2となります。
 このホームページを開設する前に、2004年に再度見直しパート譜まで作ったのがVer.3。と言っても演奏するアテなどはどこにもありませんでしたが。

 2008年になり駒ヶ根市吹の定期演奏会で演奏することになり、駒ヶ根市吹の編成に合わせた手直しを加えたのがVer.4となります。
 今回は、音を出しながら楽譜を見直したので演奏上困難なところが多数見つかり、ずいぶんと勉強になりました。間違いもいくつか見つかりましたし。

 そして10月18日本番での演奏を迎えることが出来ました。曲を知ってから32年、編曲に着手してから9年のことでありました。

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