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162.どれだけ時間を使ったのか?

2008.10.25


 駒ヶ根市民吹奏楽団第23回定期演奏会も、ひとまず終えることが出来ました。成功したかどうかということは聴いて下さったお客さんが決めることなので、私としては今ここでどうこう言うことは出来ません。(次回のお客さんの入りが、その評価らしいです。)
 ただ感触としては、今までになかった演奏中の空気を感じることが出来ましたので、今までに無い新しい領域に入り込んだという手ごたえはありました。
 具体的にどんな感じかと言うと、今までは、本番直前まで曲の仕上がり具合がイマイチでいろんなところに不安があったわけです。本番になって、ある程度は緊張感がプラスされ曲の出来は上がるのですが、やはり不安箇所は残っていますので、演奏中も気が散ってしまい、音楽に集中できない、といったことが多かったのです。
 今回も、本番直前の仕上がり具合に不安があったことはそれほど変わりはありませんが、本番が始まってからの音はかなり違っていました。不安箇所を忘れられるくらい、滑らかな心地よい音がしているのです。ということは、気が散るところも少なく音楽に集中できたということになります。
 駒ヶ根市吹については、以前から『本番にい強い』(練習と本番とは大違いということですよね。しかし、本番しか聴いたことの無い多くの人にとっては、それが実力であって、その変貌ぶりを知ることが出来ないのです。)という、話があって、私としては以前より「練習のうちからそういう音は出ないものか。」と思案しながら、練習に臨んでいたわけです。

 さて、その練習ですが、どれほどの時間が掛けられたのでしょうか。『展覧会の絵』の譜面を配ったのが、4月の初旬。演奏会が10月ですから、半年はあり、余裕で完成出来るものと考えておりました。が、終わってみて実際はそれほどの余裕はありませんでした。

 時間にして考えてみましょう。一回の練習時間が、午後8時ちょっと過ぎから9時半頃までの1時間半しかないのです。十数年前にやっていた頃は7時から始めておりましたので、2時間半は出来ていたのですが、この一時間はどこへ行ってしまったのでしょうか。
 その十数年前は、会社を定時で終えるとすぐに練習会場に駆けつけ、楽器を吹き出していたという状態でした。しかし、現在では家庭を持っている方も多く、8時近くにならないと家を出られない、会社では一定の立場に立っており定時でサッと帰宅することが出来ない、というメンバーが多くなっているのですね。ですからどうしても8時頃開始となってしまいます。1回1時間半という練習時間は足りないと思いつつも、仕方ないと思わざるを得ません。

 では、その練習が何回取れたかといいますと、半年間で28回です。一日練習が5日と半分(ゲネプロ含む)。合計すると80時間程度になります。半年という期間を考えると驚くほど少ないです。
 例えば私の学生時代の部活など、平日で4時間、土日で12時間として、一週間で30時間以上は練習しておりました。つまり、半年は掛けましたが、学生から見ると3週間程度の練習量なわけです。
 逆に考えて、私の学生時代に3週間であれだけの曲をステージに掛けられたかというと、答えはNOとなります。大人になって、音楽の作り方とか、練習への取り組み方とか、色々と覚えた事があって、学生のときほど時間を掛けなくなったとは思いますが、それにしても80時間程度という練習量で、『展覧会の絵』(全曲)の他に、11曲をステージに上げたということは、大変なことだと改めて実感しております。
 一緒に作り上げた皆さん、大変お疲れ様でした。

 で、次回はそのあたりのことも頭に入れながら、演奏会作りを考えていかねばならないと思います。“出来る範囲で”という考えもあります。“挑戦の無いところには進歩が無い” ともいえます。バランスをとりながら、次回への夢を膨らませて行きたいと思います。

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