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135.空白の理由Ⅱ

2008.4.19


 パート数が多いということは、もう一つ大変な問題がありまして、音として再生するトラック数も足りないということがあるのですね。
 現在MIDI音源として使っているのは、前々から書いておりますRoland の Sound Canvas SC-88VLなのであります。この音源は32トラック、同時発音数64音というスペックで再生することが可能です。1トラックには1パートを当てはめることが出来ます。厳密に言うとフルートなどは1stと2ndの2パートあるのですが、1つの五線に書かれているので1パートとしています。まぁ、ここでは五線の数をパート数と考えて下さい。

「じゃあ前回書いた30パートなら足りるじゃないか。」と言われそうなのですが、そうではないのです。30パートというのはオーケストラでの話で、私の編曲している吹奏楽では更にパート数が増えるのです。

 弦楽器のヴァイオリンⅠ、Ⅱ、ヴィオラ、チェロの4パートは減ることになりますが、クラリネット(Es、B(3パート)、アルト、バスの6パート)、サックス(ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4パート)、コルネット、ユーフォニアム、チューバの合計13パートが加わります。クラリネットはオーケストラでも1パートありましたのでそれは差し引きます。
 更にBクラリネットについては実際の吹奏楽団では人数が多いので、それに近づけるために1stと2ndにはトラックを重ねています。
 さて合計はいくつでしよう。
  30-4+6+4+3-1+2=40
40パートということは40トラックを必要とすることになるのです。さぁ、困りました。と言っても、演奏時の話ですから、譜面が完成するまでの間に解決すればいいので急な話ではないのですが。

 で、まず最初に考えてしまったのは、MIDI音源をもう一つ買ってしまおうということ。いつものヨドバシカメラのウェブサイトで扱っている商品探してみると、RolandはSD-20Cという製品があります。3万5千円近くします。周辺機器2万円以下の法則を考えると厳しい物があります。すぐに買うのは諦めました。
 しかし、音源モジュールのラインアップも機種が少なくなった気がしますが、どういうことなのでしようか。

 次に考えたのは、「パソコンの性能も上がっていることだし、ソフトウェア音源を使うと言うのはどうだろうか。」と言うことです。
 MIDI音源は数年間変わっていないようなのですが、パソコンの性能はかなり上がっています。以前はソフトウェア音源では苦しかったものでも、現在では使い物になるのではないかと考えたのです。幸いにして、USBサウンドモジュールにRolandのVSC-88というソフトウェア音源がバンドルされていてたことを思い出しました。これをインストールしておいてシーケンスソフトの方で出力に指定すればよいのです。早速、やってみました。
 結果、、、、発音のタイミングが、合わないのです。VSC-88の方が数100msほど遅く音が出るのですね。じゃあ、SC-88VLで出す音を同じ分タイミングをずらして遅く出せば合うはずなのですが、、、30トラックに対して調整するのは、メンドクサイ。VSC-88は諦めました。

 ここでまた一つ気付きました。私の持っているシーケンスソフトには、プラグインのソフトウェア音源が付属していたのです。
 実は、裏ベー全編の2007年10月頃に書いたことで、パソコンを新調したらMIDI音源の音が出なくなってしまったという事件で、シーケンスソフトが古くWindowsXPに対応していないために音が出なくなったのではないかと考え、買い換えたのでありました。どこかで書いたような気がするのですが、見つけられませんでした。きっと書かなかったのでしょう。
 それまでは、Cakewalk Home Studio 7 を使っていたのですが、SONAR Home Studio 6 XL(Cakewalkのヴァージョンで換算すると 20だそうです。購入した直後に7がリリースされました。トホホ。)にアップグレードしたのでした。その時の音の出ない原因は、SC-88VLのシリアルドライバがデュアルコアのCUPに対応していなかったためだったのですが、SONAR6にはデュアルコアを不使用にする設定があったので、私が最終的に対策としたデュアルコアCPUに対応しているUSBのMIDIインターフェイスを購入したというのは、実は不要だったという話もあります。
 それはともかく、SONAR6にはソフトウェア音源が付属しているので、これを使えれば問題解決です。

 ところが、マニュアルを読んでみてもさっぱり意味が分りません。書かれている通りに操作してみるのですが、どうも音が出ないのです。機能が多いソフトというのは、色々と設定することも多くて、それが出来ないと動かないのでしょうね。この歳になってくると、マニュアルに書いてあることがなかなか頭に入らなくて大変なのです。などとブツブツ言いながら、一日いじっていたら何とか音が出るようになりました。

 これでひとまず解決と言うことで、安心して「第九」の編曲を進めることにいたしましょう。 

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