直線上に配置

124.新製品企画

2008.2.3


 前回はスコアを製本する方法で悩んでいます、などということをかいたのですが、そうでなくてもスコアには悩みがあったりします。演奏時の悩みになるのですが、、、

 長い曲でスコアも厚くなってくると、普通の本のように糊で製本されてまいります。スコアというのは、実際に演奏で使用している状態では、両手を添えているわけにはいかず、つまりページを開いたらそのままの状態でいてくれないと非常に困るのです。(前回も書いていますね。)
 中央近辺は強く開いておけばクセが付いて良くなる場合もあるのですが、最初や最後の辺りはすぐに捲れてしまって上手くいきませんね。使い込んでボロボロになってきた頃にそういう心配がなくなるということでしょうか。でも、その頃になると製本が壊れてページがどこかへ飛んでいってしまうこともあるのですねぇ。

 それから別の悩みになりますが、1ページずつ捲るのが難しい場合。ページがピッタリくっついてしまって、指が乾燥していたりすると、1ページずつ捲るのが出来ないことがあります。それで演奏しているところを見失ったり、振り間違えたり、、、。
 岩城宏之さんが、譜面台の上に濡らしたスポンジ(銀行とかでお札を数えるときに指を湿らすアレ)を置いて、指を湿らせてスコアを捲っていたのを見たことがあります。なるほどねぇ。

 また、1ページずつ捲るのではなく、リピート、ダ・カーポ、ダル・セーニョ、コーダ等、一度にたくさんのページを飛ばさなければならないこともあります。一箇所二箇所なら付箋を貼っておけば何とかなるのですが、ポピュラー音楽の場合、一曲の内で何回も飛ぶので、もうわけが判らなくなってきます。

 さて、上手い方法はないでしょうか。まぁ、暗譜してしまうのが一番いいのでしょうが、誰でも、すぐに、できるものではありません。

 PDFファイルを製本しなくて言い方法は、なんて考えていたら思いつきました。
 譜面台に液晶パネルを乗っけてしまえばいいのです。というか液晶モニターに譜面台のようなスタンドを付けると言った方がいいのか。

 そうするとPDFファイルをそのまま映すことができますね。譜捲りはプレゼンテーションソフトのページを捲るように「進む」「戻る」のタッチパネルを用意しておけば良いでしょう。
 指揮者用だけでなくパート用も用意してLANでつなぐと譜面の配布なんかも楽になるかもしれません。
 よくやる譜面への指示の書き込みは、タッチペンで行うとかで良いですね。不要になったらすぐ消せますし。

 もう少し進めてみると、曲の進行を譜面台(というよりすでにPCですね)で判断して自動に譜捲りをする事もできるでしょう。現在演奏しているところをマークで表示すれば演奏中に見失うことや、長い休みの小節数を数え間違うこともなくなります。

 ここまで来れば、メトロノームやチューナを内蔵させることも簡単でしょう。

 対策を考えなければならないこともあります。
 舞台上は照明光があちこちから飛んできますから、液晶パネルの表面はクリアよりマットの方が反射がなくて良いですね。
 それから舞台が暗転したときに、譜面台から煌々と光っていたらまずいですね。調光できる機能も必要です。

 それから、練習中に譜面台を指揮棒で叩いて拍を示すことがありますが、それに耐えられる強度が必要でしょう。また、練習中に怒って譜面台を蹴飛ばしたり、突き飛ばす指揮者もいるかもしれません。そのときは、「この譜面台は非常に高価なもの」と理解をいただき、蹴飛ばし用のバケツなどを用意する必要があるかもしれません。

 などと、妄想を膨らませ「こりゃいい考えだわい。」などと思っていたのですが、ネットを検索してみるとすでにそのような商品が無い訳では無い様ですね。「電子譜面台」で検索してみてください。

 なかなか画期的な新製品のアイディアは出てこないものです。

前を読む 『休むに似たり』TOP 次を読む



Copyright(C)2005-8 T.Miyazawa All Rights Reserved.

直線上に配置