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121.マーチを作曲する 第11回

2008.1.13


 いよいよ今回でマーチを完成させることになりました。フルスコアまで作成していないので、実際に演奏しようと思えば、もう少し手を入れた方がいいところもありますが、一応の完成としたいと思います。

 始めてから11週ですので2ヵ月半くらい掛かったことになります。一回に付き2~3時間、延べ時間とすれば30時間くらいですから、毎日の仕事と考えてみると4日くらいで出来ることになりますね。うーん、これは短いのか長いのか、、、。

 それでは、各部分にどのようなアレンジの手法を使ったかを書いていきます。

序奏
 ・音形を簡略化してオクターブ下にトロンボーンを重ねる。
 ・四分音符を基本に下降音形でベースを加える。
 ・ピッコロ、フルート高音部トリルを加える。

 金管ファンファーレ + ピッコロ・フルートという形です。クラリネット、サックスを加えると五月蝿くなるかなぁ、と考えました。入れるとしたらアルペジオではないかと思いますか、演奏の苦労の割りに効果が少ないような気もします。


第1マーチ
 ・メロディーにオーボエ、クラリネットを重ねる。
 ・テナーサックス、ユーフォニアムの対旋律を加える。

 テナーサックス、ユーフォニアムの対旋律はメロディの動きが活発なので、対照的に殆ど動かないロングトーンのようにしました。

第1マーチ・リピート】 リピートにより音を加えます。
 ・グロッケン、ピッコロで2オクターブ上のメロディーを重ねる。
 ・クラリネットでメロディーの3度下ハモリを加える。
 ・フルート、アルトサックスでテナーサックス、ユーフォニアムの対旋律のオクターブ上に3度下ハモリとともに加える。対旋律というより、ハーモニーを加えた形になります。

 メロディーに厚みを持たせ盛り上がり感が得られたと思います。


第2マーチ
 ・メロディーをフルート、オーボエ、アルトサックスとして、オクターブ下にテナーサックスを加える。
 ・クラリネット、ヴィブラフォンでアルペジオを加える。
 ・メロディー後半にオクターブ下でホルンを加える。進行にしたがってハモリを増やす。
 ・後半でトランペットが一小節遅れたカノンの形で加わる。

 リピートで変わる所はなしにしました。8ビートとサックス主体のメロディーと言うことでライトなムードミュージックみたいになってしまいました。
 ダ・カーポの後はこの部分が曲のエンディングになるので、盛り上がりが欲しかったのですが、上手くいったでしょうか。

間奏
 ・吠えるホルンを加える。
 ・ベースパートを加える。

 前奏同様、金管主体です。木管による装飾のテクニックを得られたら、うまく足したいと思いますが、現状の私ではここまでてすね。

トリオ1
 ・オーボエ、クラリネットでメロディー。オクターブ下にトロンボーンを重ねる。
 ・サックスで伴奏パート。

 ここはメロディーを聴いていただきたいのでシンプルに形としました。

トリオ1・リピート
 ・トランペットで対旋律を加える。

 シンプルな形を維持しながら、変化を持たせました。


トリオ2
 ・メロディーをユーフォニアムソロで。
 ・フルートの対旋律を加える。

 さらにシンプルにしました。決してアレンジの手を抜いたわれではありません。しかし、トリオ2で盛り上げようと思っていたのにこれで上手くいくのでしょうかね。

トリオ2・リピート
 ・メロディーにホルンのユニゾンを重ねる。
 ・フルートの対旋律を外す。
 ・オーボエ、クラリネット、トランペットでトリオ1のメロディーをハモリを持たせて加える。
 ・ピッコロで細かい動きの変奏を重ねる。

 このトリオ2にトリオ1のメロディーを重ねると言うことをやってみたかったのですねぇ。ホルストの「第1組曲」のマーチで、終盤に第1テーマと第2テーマが重なりますよね。あれをやってみたかったのです。どんな感じになりましたでしょうか。

 後はダ・カーポして第1マーチ、第2マーチを演奏して終わりです。ダ・カーポした後はリピートの2回目の演奏となります。これでちょうど3分のマーチになりました。

 スリー・ミニッツ・マーチ(一応完成版)


 作曲してみての感想です。コードを並べている辺りでは、何をやっているか分かりませんでした。具体的な曲のイメージが無かったからですね。メロディーをコードに付けている辺りでは、確かに自分で作っているのだけれど、メロディーを作らされている感じでした。やはりメロディーとコードは同時に作っていくものだと思います。そのうち慣れてくれば、身に付くのでしょう、きっと。
 アレンジに入ってからは、多少慣れていたので自分で作っているという気はしてきました。

 何事も、出来るレベルで一つ完成させ、次にはレベルアップしていくと言うことが大事なのですね。いきなりデカイことをやろうとすると挫折するわけです。

 作曲をしてみようかとお考えの皆さん、このテキストを使ってやってみてはいかがでしょうか(お勧め)。私でも出来たのですから。

 さぁ、次はどんな曲を作曲してみましょうか、、、(『第九』はいつになるのでしょう)


【参考文献】
裏口からの作曲入門 ~予備知識不要の作曲道~ / 御池 鮎樹 / 工学社

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