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108.作曲入門してみる

2007.10.14


 アルプホルンのためのファンファーレは、依頼者には大変喜んでいただけたようで、大変気を良くしているところです。次はオリジナル曲を作ってほしいと頼まれております。(うまく使われているだけのような気もしないではありませんが) まぁ、自分の作ったものが人に使ってもらえるというのは、ありがたいことです。

 気を良くしているところで欲が出てきて、次は「やっぱり吹奏楽の曲も作れるんじゃないかなぁ。」と思うようになってまいりました。しかし、これは以前に何回も挫折したことなのですねぇ。アルプホルンの曲はドミソドだけ(限られた音だけで作ることも簡単ではありませんが)でできるのですが、吹奏楽曲となると膨大な量の音を扱えなければなれません。

 てなことを考えながら、先日ヨドバシドットコムでMIDI機器を探すついでにMIDI関係の書籍を探していると、ありました。

裏口からの作曲入門 ~予備知識不要の作曲道~
  御池 鮎樹 / 工学社

2000円弱という価格は普段書店で買うには高額ですが、ネット通販ということで気が大きくなっており、ポチッと注文してしまいました。
 この「裏口から」って言うところがいいじゃないですか。裏技のような感じで、苦労しなくて目的にたどり着けそうじゃないですか。(そういう考えだから、上達しないのです。)
 小さい頃から私にはそういう気がありまして、国語、社会なんていう憶えることが主な教科は嫌いだったのですね。算数ってのは、公式やある決まりさえ憶えてしまえば問題を解けるというところが良かったのです。自分の知恵で解決できるって言う感じがしますもんね。社会科なんか歴史でも地理でもとにかく憶えなければ話になりませんからねぇ、大嫌いでした。
 話がそれましたが、そういうわけで日々私は裏技を探しているのです。(大げさだなぁ)

 というわけで、本が届きました。まずパラパラと目を通してみます。
最初は音符の読み方から書いてあります。なるほど超初心者向けです。これ以上やさしく書かれた音楽の本は少ないでしょう。でも、ほんとに作曲できるようになるのでしょうか。

 この本で言っている「裏口から」というのは、こんな意味があります。
 通常の作曲というのは、メロディを作って、それにコード(和音)を当てはめ、ベース、リズムを作りアレンジを加えていきます。まぁ、私も作曲をしようとしたときにはメロディや旋律(あ、同じ意味か)を作ろうとします。が、やはりこれが難しく挫折してしまうことが多いのですね。メロディー作りというのは大変な才能を必要とするのです。
 ところがこの本では、最初にコードの流れ(コード進行といいます)を作ってしまい、それにベースとリズムを付けていきます。コード進行は一定の決まりに沿って、いい感じだなと思うように作っていきます。ベースはコードに対して半自動的に決まってしまいますし、リズムも作りたい曲のスタイルでおよそのパターンが決まってきます。で、それに乗っかるメロディを考えるというのです。
 メロディの作り方も和音の構成音や音階を使って少しずつメロディらしくしていくという手法です。そして最後にハモリやアレンジを加えて完成というわけです。

 なるほど、これならある程度のクオリティーの曲を作ることは出来そうです。

 ここまで読んでいただいてお分かりかと思いますが、この手法で作れる曲というのは、メロディがあって、コードがあって、ベースがあって、リズムがあってという、いわゆるポピュラー音楽的な構造の曲になります。ソナタ形式の展開とか、対位法とか、十二音音階とか、現代音楽、クラシック音楽でよく使われる手法についてはノータッチです。
 超初心者が作曲することを目的としている本ですから、そこまでは無理ということですね。それができたら音楽大学の立場がなくなっちゃいますものね。

 では、吹奏楽でメロディ、コード、ベース、リズムを主にしてできている曲というと、マーチがあります。少し応用を利かせば、初級バンド向けのオリジナル曲(エリクソン、スウェアリンジェンなどの曲の多くはこの範疇ですね)などまで行けそうです。
 吹奏楽といえばマーチですから、まずそこから始めてみましょう。

 さて、この本、「裏口から」とか言っていますが、実はちょっと違うと思うのです。
 ベテランがメロディーから作曲するときだって、実は無意識かも知れませんがコード進行やリズムやアレンジなどを頭に思い浮かべながらやっているはずなのです。素人にはそれができないのでメロディー作りが難しいのですね。コード進行やベース、リズムというのは作曲するのに必要な基礎知識なのです。
 ですから、「裏口から」なんていう、ちょっとズル賢いようなタイトルのですが、実は基本中の基本を教えてくれる本だったのです。
 まぁ、本のタイトルは多少センセーショナルな方が売れやすいでしょうからねぇ。

 というわけで、作曲入門してみます。いつ曲ができるかは、定かではありませんが。

【参考文献】
裏口からの作曲入門 ~予備知識不要の作曲道~ / 御池 鮎樹 / 工学社

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