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70.ドレミファソラシド

2007.1.21


 ドレミファソラシドというのは、皆さんご存知の通り音名であり、もう少し詳しく言うと長音階を構成している音名を下から順に並べたもの、と言うことが出来るでしょう。メロディーを、この音名で歌うことがよくあります。
 「かえるのがっしょう」なら、
 どれみふぁみれど みふぁそらそふぁみ ど ど ど ど どどれれみみふぁふぁみ れ ど
となります。このように音名で歌えば、暗譜するときなんか便利ですね。
 ところがこの音名にも困ったことがあるのです。次の譜面(ベートーヴェン交響曲第6番「田園」第一楽章から1stヴァイオリンのパートの一部です。)を音名で歌ってみて下さい。(とりあえず、固定ド唱法*)で)

 

 ソ ソラシフラットナチュラル ド ソラシフラットナチュラル

 まともに歌えませんね。シの音に♭とナチュラルが付くためこうなってしまいます。先日見たあるテレビ番組でも、音楽家の先生が
ラ レ ファシャープ
なんて歌ってましたから、これらのシャープ、フラット、ナチュラルを簡単に歌う方法は無いようですね。まぁ、ナチュラルは歌わずに済ましてもいいでしょうけれど。
 つまり、ピアノの黒鍵の音は音名で歌うことが出来ない、ということなのです。これは困りますよね。指揮者としてバンドの練習をしていたときに、メロディを歌って説明しにくかった記憶があります。大抵はシャープ、フラットを省いて歌っちゃうのですが、間違った音名で歌っている気がして、いい気分ではありません。

 音楽の歴史は数百年あるのですが、誰もこれを解決しようと思わなかったのでしょうか。そもそも音名で歌うというのは日本だけのことなのでしょうか?(いやいや、外国の音楽家が音名で歌っているのを見たことがあるぞ。)

 ドレミファソラシドというのはイタリア語読みで、黒鍵の音には音名はありません。この黒鍵の音を短い音節で発音しているのはドイツ語読みのみです。
 ドレミファソラシドは
 C(ツェー) D(デー) E(エー) F(エフ) G(ゲー) A(アー) H(ハー)
となり、
 ド# レ# ファ# ソ# ラ# は
 Cis(ツィス) Dis(ディス) Fis(フィス) Gis(ギス) Ais(アィス)
であり、
 レ♭ ミ♭ ソ♭ ラ♭ シ♭ は
 Des(デス) Es(エス) Ges(ゲス) As(アス) B(ベー)
となります。HとBの関係がちょっと面白いのですが、何故そうなっているのかは知りません。別の機会に調べてみましょうか。
 このドイツ音名ならば、シャープ、フラットといわずに、簡潔に歌えそうなのですが、、、それでも全体的に長くなってしまいそうですね。活舌の悪い人には辛そうです。

 それでは私が作ってしまいましょう。
ドレミファソラシドはそのままで、
 ド# => デ
 レ# => ウィ
 ファ# => フォ
 ソ# => サ
 ラ# => リ

と、とましょう。ド#の場合はドの子音とレの母音を合わせてという考え方です。こうするとレ#とラ#とがで同じになってしまいます。アルファベットで書くとレはReで、ラはLaですから、レ#はRi、ラ#はLiとなります。で、ちょっと(いや、かなりか)乱暴ですけれど発音からRiをウィと読むことにしました。それと♭の方は目をつぶってしまいました。

半音階で歌うと、
 ド デ レ ウィ ミ ファ フォ ソ サ ラ リ シ ド
 ド シ リ ラ サ ソ フォ ファ ミ ウィ レ デ ド
半音階って感じがしますね。
 このページの楽譜の場合だと、ソ ソラリ シ ド ソラリ シ ド・・・。おお、いい感じだ。

 ということで、この音名を次から使って行きたいと思います。
 次っていつだ?


 と、こんなことを書いてから、いろいろと調べてみたらトニックソルファ法なるものがあることを知りました。勉強不足でした。私のは単なる与太話ですので、是非皆さんも調べてみてください。検索してみるとすぐに見つけることが出来ます。

【参考文献】
楽典 / 池内友次郎 外崎幹二 共著 / 音楽之友社
絶対音感 (P182〜P202) / 最相葉月 / 小学館文庫版
*) フリー百科事典Wikipeda / http://ja.wikipedia.org/wiki/階名

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