直線上に配置

63.烏龍茶のはなし

2006.12.2


 日頃私が主に飲んでいる飲み物は、烏龍茶です。何故そうなったかと言うと、ちょうど6年前の台湾旅行のことでありました。
 それまで、新製品立ち上げの仕事で何回も行っていたのですが、その仕事も終わって暫く経ち、仕事抜きで行ってみようと思ったわけです。とはいっても、一人で行けるほど度胸は無いので、やはり一緒に仕事をしていたTさんと、社外の知人のHさんの3人で行きました。
 あの台湾大地震から1年が経過したころだったのですが、まだあちらこちらで震災の爪あとが残っておりました。

 台湾についてから台中へ移動し、以前にお世話になった皆さんに迎えられ、夜は歓迎会となり、まぁ、ついつい飲みすぎて、記憶が無くなるところまで行ってしまいました。そのときの写真を見ると、会った覚えの無い人と一緒に写っていたり(つまり宴会の途中から来た人)、覚えの無い光景が沢山写っておりました。
 そういうわけですので翌日は当然、二日酔いです。それでも旅行ですので、次の場所へ行かなければなりません。
 高速バスに乗って、台北の故宮博物館へ行きます。二日酔いの頭を抱えながら3時間ほどざっと眺め、さて帰ろうと外に出たのですが、そこには客待ちのタクシーが山ほどいて、運ちゃんが客引きをしているのです。怪しいタクシーに引っかかってボッタクられるのもいやだったのですが、そこは台湾に慣れているTさんに任せ、一台のタクシーに乗り込んだのでした。
 さて、一通りの世間話の後で運ちゃんが言います。ウチはお茶屋もやっているから、買わなくてもいいから、寄っていってくれと。
 「引っかかったかな?」と思いましたが、Tさんも「あぁ、いいですよ。」なんて言っていますので、大丈夫かと思いお茶屋さんへ行きました。

 店に付くと試飲ということで、おばちゃんが講釈をたれながら烏龍茶を淹れてくれます。これがなかなか上手で、話に引き込まれてしまうのですね。
 まず、最初に日本で最も有名なあの烏龍茶について「あれは、美味しい物ではない。」といい、それと同じレベルのお茶を出してくれます。確かにこういう味です。
 次に、中くらいのレヴェルのものと言って、淹れてくれます。明らかに味が変わって、おいしくなります。
 そして最後に、高級なものと言って淹れてくれるのですが、これが本当においしいのです。いろも茶色ではなく日本の緑茶のような感じで、味も雑身が無く澄んでいるのです。今まで飲んでいた烏龍茶は何だったのだろうかという感じ。二日酔いの体に気持ち良く染みていくのです。
 その後、おいしいお茶の入れ方というのを教わり、烏龍茶の効用を聞き、一通りの試飲は終わるのです。

 最初は「中くらいのやつを買って帰ろう」などと思っていたのですが、これはもうその高級なお茶を買うしかありません。値段は800NT$/100gとのこと。当時1NT$=4円位でしたので、3000円を超えるくらいでしょう。
 しかも500g買えばサービスがあるといいます。茶器かカラスミかそのお茶をもう100gの3つから選べると。もちろんこれは+100gということで、4000NT$(約16,000円)を払い600gのお茶を買ってしまったのでした。
 普段お茶葉なんか自分では買わないので、これが高いのかどうかという判断がつかなかったのですが、ちょっと考えるとお茶葉で16,000円って高いですよね。

 その後、空港の免税店や、帰国後の烏龍茶を扱っている店で値段を見ましたが、その800NT$/100gというのは決して高い値段ではない(日本で買えば倍しますね。もちろん輸送費は掛かっていますが)ことを知り安心したのでした。疑って悪かったよ、運ちゃん。
 しばらくして、Tさんは「あのお茶屋さんには前にも行ったことがあった。」などといいます。先に言ってくれればよかったのに。

 そういうわけで、おいしい烏龍茶を知ってしまったわけですが、飲み続けている最大の理由は、効用で教わったダイエットに良いという事。
 なるほど、台湾の女の子はスマートな人が多かったわけです。

前を読む 『休むに似たり』TOP 次を読む



Copyright(C)2005-6 T.Miyazawa All Rights Reserved.

直線上に配置