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37.ベートーヴェンの合間に

2006.6.3


 雲ヶ音市吹の定期演奏会で取り上げる曲は、ベートーヴェンだけでは寂しい思い、メンデルスゾーンやチャイコフスキーの曲を編曲したのですが、次の「英雄」と一緒に取り上げる曲は何にしようか悩んでいるところです。ベートーヴェンを早く進めたいので、他の曲はやらないというのもひとつの考えで、実際次回予告では「英雄」のみとしています。

 それで、先日パソコンの中の古いMIDIファイルを見ていたら、いいものを発見しました。金管合奏のために編曲した、サミュエル・バーバーの「弦楽のためのアダージョ」です。映画「プラトーン」で一躍有名になったあの曲です。

 弦楽合奏の上派手な動きのないモノトーンの曲なので、音色の多彩な吹奏楽への編曲はよほど慎重にしなければならないでしょう。実際に3月に聴いた国立音楽院の演奏も原曲のイメージから離れてしまっていました。(演奏が悪いというわけではないのです。)

 そこを、モノトーンのイメージを崩さない金管合奏という形態に編曲するという着眼点は素晴らしいと、十数年前の私を褒めたくなります。←冗談です。
 早速、Finale2005にインポートし、譜面に強弱記号等を書き加え、ヒューマンプレイパックで演奏してみました。なかなかいい感じです。これなら、雲ヶ音市吹の定期演奏会に挙げても良いぞ、と思ったのです。

 ちょうど、バーバーの著作権も切れたころ(没年は1954年じゃなかったかな?)なので、問題ないだろう、、、、

 ダメです。

 二重の勘違いをしています。バーバーの没年は1981年。没年が1954年だったのはチャールズ・アイブズでした。どうも最近のこの二人にアメリカ人作曲家を混同してしまいます。
 しかも、アメリカ人の著作物については保護期間に戦時加算(10年4ヶ月20日間)がされるので、没年1954年の場合著作権が切れるのは2014〜5年なのです。もっともアイブズの場合は著作権を放棄してしまっているという話(出典がどこだか忘れてしまいました。スミマセン)もありますが。
 ということで、「金管合奏のためのアダージョ」は発表できないのです。(正規に編曲の許諾を得れば可能ですが、そこまではちょっと)

 しかし、弦楽のための曲を金管合奏や木管合奏に編曲するというのはいいアイディアです。何かいい曲を探してみることにしましょう。

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