宮沢賢治の童話のひとつに「やまなし」があります。 私の記憶では小学4、5年だったと思うのですが、国語教科書に載っていたので、ご存知の方も多いと思います。 少し不思議なお話で、ページの上の方に書かれていた藍色のシルエットのようなイラスト(幻燈を表していたのでしょう)が、より幻想的に雰囲気を醸し出していて印象に残っています。どんな授業をしたのかは覚えていませんが。 ご存知で無いという方は、青空文庫でご覧下さい。 http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card472.html 短い作品で、「五月」と「十二月」の二章からできています。「十二月」の方が話が具体的になってしまいますので、私は不思議な雰囲気のする「五月」の方が好きでした。 クラムボンはかぷかぷわらつたよ。 時代は下がりまして、高専時代。ある日曜日に、NHK-FMで吹奏楽特集をやっていました。ほぼ一日中吹奏楽曲を流すというとてつもない企画でした。友人などはカセットテープに何本も録音していたと思います。私はカセットテープを買うお金が無く、、、それは関係ないか。 それで聴いていると、ある曲が流れた瞬間に「やまなし」の情景が浮かんできたのです。あの不思議な感覚がそのまま音になっている、という。 友人のカセットテープを何回か聴かせてもらい、曲名はなんとなく覚えて、ただダビングをするほどのことは無くそのままにしておりました。 当時は、この曲のレコードの入手は難しいと思われ、わざわざ探すこともしませんでした。 さらに時代は下がって、数年前。CDを漁りに「銀座のヤマハ」へ行きました。そこで、マーキュリーという古い録音(1950年代ころ)なのに音がものすごく良いというレーベルを知りました。その中に何枚か吹奏楽のCDがあり、あの「やまなし」の曲もあったのです。1500円というお手ごろな価格でしたので、即購入です。 そのCDとは、 「モートン・グールド / ウエスト・ポイント交響曲、ホヴァネス / 交響曲第4番」 (ユニバーサルミュージック(株)PHCP-10402 または Mercury 434 320-2) まだ入手可能だと思います。 この中の、アラン・ホヴァネス作曲交響曲第4番第2楽章。曲をここに貼り付けることはできませんのでお聴かせ出来なくて残念です。とりあえず、その部分の解説を引用します。 第2楽章 アレグロ、舞曲 - ふたつの舞曲を持つトリオ - 舞曲による3部形式。8分の19拍子プラス8分の20拍子でマリンバがジャワ島のガムランの趣をたたえた独奏を始め、ティンパニ、グロッケンシュピーゲル、ヴァイブラフォン、ハープが伴奏する。ほかの打楽器がきえて、独奏マリンバだけが残る。トリオの舞曲1では、反復するハープのアルペッジョに乗ってオーボエ、クラリネットとフルートで、続く舞曲2ではヴァイブラフォンを従えたファゴットで奏される。8分の19拍子で、打楽器群が新しい旋律を続けると、間もなく木琴ソロだけが残り、遠くへ消えてゆく。 (日本語解説 竹内康夫) 一応、女房にも聴かせたところ、「そのとおりだ。」という感想でしたので、私だけの思い込みではないと、思っているわけです。 |