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32.席を選ぶ

2006.4.29


 コンサートのチケットを買うときに、どの席を選ぶかという楽しみ(あるいは問題)があります。ポイントは、価格と位置ということですが、価格についてはこれはもう安いに限りますので、チケットを買うときは安い方からどれだけいい位置が取れるかということになります。

 それでは、客席の位置について私が思っていることを書きたいと思います。まあ、ホールによって多少の違いはありますが、適宜想像してください。一応、私が想定しているのは、コンサートホールタケミツ(東京オペラシティ)、東京芸術劇場、東京文化会館、サントリーホール、オーチャードホール、すみだトリフォニーホールあたりです。

【1階席】
 前寄り。ステージを見上げるような席です。弦楽器の地から沸いて出るような音が楽しめます。中央付近であればサラウンド効果満点です。左右に寄ってしまうとバランスは最悪です。こうなると弦楽器奏者の足を眺めることしか楽しみはなくなります。

 中程。これはもうS席という一番高い席ですので、普段は買いません。いや、買えません。たまに全席均一の値段のときに運がよければ座れます。やはり音響的には最高ですね。

 後寄り。目線が低いのでステージがよく見えません。ステージから遠くなるので音もやや小さくなります。ステージから自分までの間に多くの聴衆がいますので咳などのノイズも気になります。値段もそれほど安くないので、最も座りたくない席です。

【2階席】
 前寄り。この席もまだまだ高いですね。やっぱりあまり買えません。

 後寄り。このあたりの席で奮発して手が出せる値段になってきます。

【3階席】
 ステージから遠くなって、音も小さくなります。ホールをよく鳴らせるオケの場合はあまり気になりませんが、やっぱり値段の割りに物足りなく感じてしまうこともあります。

【4階席・5階席】
 ここまであるホールは、東京文化会館くらいかな。ステージは遥か彼方。ですが、都響の定期公演は5階席は1800円(Ex席)で聴けるのです。とにかく安く聴きたいときはこの席です。
 タイタニックの3等客室にいるような気分でS席にいる人たちが金持ちに見えます。

 話はちょっとずれますが、安い席には別の問題もあります。それは、お客さんのマナーが良くない場合があるのです。
 演奏中にプログラムやチラシをめくる音を立てたり、数人で来ている人の場合は私語があったり、全体的になんとなくざわついた感じがあります。時々ちょっと高めの席で聴くと静かさに驚くことがある位です。私の経験で言うと3000円未満の席は要注意です。(大抵そういう席で聴いているのですが)
 
 話を戻しまして。

【ステージ周りのベランダ席・パイプオルガン席】  
 私の最も狙い目の席です。ステージの間際で大きな音で聴けますし、周りの人が気になることもありませんし、何よりも料金が安い。ただひとつ難点は音のバランスが悪過ぎること。
 先日などはテューバの真横でしたから金管低音ばかり良く聴こえました。もっともこの席は自分が楽器を吹くときの席に近いので、慣れているといえば慣れているのですが。
 オペラシティーでN響チャイコフスキー交響曲第4番を聴いたときは、パイプオルガン席の中程、指揮者の正面。私にとって最高の席でした。管楽器の音は足元から沸きあがってくるし、弦楽器は生の音が良く聴こえるし、指揮者はよく見えるし。ただし、晒し者になるという勇気は要りましたが。

【ベランダ席後方】
 ただ安いだけの席です。ステージ上が半分くらいしか見えないことがあります。周りに人が少ない分、一階席後方よりはマシですが。

 あとは、演奏者、オーケストラによって値段は変わりますので、そのつど財布と相談ですね。
 海外からの一流オーケストラの場合「金に糸目は付けない」とは思っていますが、まだ聴きに行ったことはありません。でも、やっぱり安い方の席を買っちゃうんだろうなぁ。

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