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23.チャイム

2006.1.15


 ここで言うチャイムとは「鐘」のことではなく、人々に注意を促すために発せられるメロディーを伴った音のことであります。
 チャイムと言うのは、学校の始業や就業などに使われる割と長いものから、店舗などで呼び出しなどに使われる短いものまでいろいろありますね。
 しかし、メロディーと言うかパターンと言うか、あまりバリエーションは無く音楽として聴くには面白いものではありません。だから「何かの合図」ということがすぐ分かるのですが。

 学校のチャイムなんかは「ミードーレーソー、ソーレーミードー」て感じのが多いんじゃないでしょうか。オリジナルのチャイムなんて使っているところはありますかね。ちなみに私の卒業した学校では、吹奏楽部の顧問だった数学の教授が作曲したチャイムが使われていました。
 呼び出しのチャイムなんかだと、私の子供のころは単純に「ドーミーソードー」ってものがほとんどでした。ひどいときには、「ポーン!」って一音だけだったりして。

 もう二十年位前になるでしょうか、地元のホームセンターで新しいチャイムを聴いたのです。これです。
 今では、割といろんなところで耳にするようになりましたが、新鮮な感じで、ちょっと音楽性があったりして、「気の利いたチャイムだなあ」と感心したものです。

 さて、話を現在に戻しまして。
 ベートーヴェンの交響曲を全部吹奏楽に編曲しようなんて考え始めたころ、やっぱり交響曲は全部聴いておくべきと思い、聴いてみたのです。一応CDは持っていましたから。
 で、ある曲でそのチャイムと同じメロディーが聴こえてきたのです。これに気づいたときは嬉しかったですねえ。子供が宝物を発見したようなもんです。

 何番の何楽章か分かりますか?

 答えは、これです。

 第6番『田園』の第三楽章の一部分です。同じメロディーですよね。といっても音階で歌うと「ミソー、ミドー」だけですけど。
 これはチャイムを作曲した人が『田園』から持ってきたのでしょうか?
ドミソの和音を並べ替えただけですから、偶然だったかもしれませんね。

 さてさて、宝物を見つけるとほかの人に見せびらかしたくなりますよね。と言うことで私、大晦日の『田園』の前に女房に教えたのです。演奏後、感想を求めるとあまり喜んでいない様子。
 やっぱり、子供の宝物って他人には理解してもらえないのかなあ。

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