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18.雲吹コンサート裏話

2005.11.12


 このウェブサイトもオーディオファイルをアップしてコンサート開催で、当初意図していた一通りのコンテンツがそろったことになります。ようやく軌道に乗ったという感じで、ホッとしているところです。

 ウェブコンサートというのも「譜面をアップするだけではつまらない。編曲したものを演奏してコンサートに仕立てよう。」と、思い付きで始めようとしものです。具体的に細かいことはぜんぜん考えていませんでした。

 で、いざ始めてみると、いろいろと困ったことが発生してきました。

 まず、データとして何をアップするかです。MIDIファイルかオーディオ(MP3など)ファイルか。MIDIファイルのほうが容量ははるかに少なくて済むのですが、聴き手のパソコンによって再生音が左右されてしまうのは良くないと考えオーディオファイルに決めました。もちろん容量は小さくするために圧縮形式にするつもりだったのですが、当初「雲吹」のトップページに「WAVファイル」などと間違って書いていました。このウェブサイトはOCN PageONで「10MBまで無料」というので開設しています。たとえばCD1枚分をWAVファイルにしようとしたら650MBですから、とても足りませんね。それで、「MP3による」と書き直したのです。(ほんとはMIDIファイルの中身を見られると恥ずかしかったからなのですが。)

 さて、ここでオーディオファイル作成までの流れを見てみましょう。
譜面作成→MIDIファイルで書き出し→シーケンスソフトで手直し、演奏→WAV編集ソフトで取り込み、圧縮形式に変換→完成。

 譜面作成
 譜面は完成しているのですが、再生用の譜面を作ります。Finale2005上で再生させながら、音量バランスを見てフォルテやピアノを変更したり、クレッシェンド、デクレッシェンドをつけたりします。Finale2005にはヒューマンプレイバックという機能がありかなり自然な感じで演奏してくれます。以前のAllegro2003では、トリル、トレモロ、フェルマータ等を再現してくれず、とても鑑賞には耐えられないものでした。
 いい感じの演奏になったらMIDIファイルで書き出します。

 シーケンスソフトで手直し
 シーケンスソフトはCakewalk Homestudio7を使っています。少し古いソフトでWindows2000では制限があるのですが、私が使う範囲では問題ありません。Finale2005で直せなかった細かいことを直しますが、それほど多くはありません。
 Cakewalk Homestudio7を使って演奏するわけですが、音源はRoland SC-88VLを使っています。これもそろそろ10年選手という古いものなので、ソフトウェアシンセサイザを使おうかとも思いましたが、それでは16チャンネルしか使えません。譜面の段数に1チャンネルずつ割り当てるとすると「ルイ・ブラス」では27チャンネルいることになり、32チャンネルつかえるSC-88VLにせざるを得ないわけです。
 ここで問題なのですが、金管の音がかなりウソっぽいのです。特にトランペット。明るくハリのある音が出ないのですよ。その他サックスの音が硬すぎるとか。私のコントロールの仕方が悪いのかもしれませんが、いい音を出せるようになるか今後の課題です。(楽団の練習みたいですね。)

 演奏とWAVデータの取り込み
 Cakewalk Homestudio 7で演奏と同時にSound it 3.0LEでWAVデータとして取り込みます。この際、SC-88VLから出た音をEDIROL UA-3FXを通して取り込みます。UA-3FXは高音や低音を増強したりエコーをかけるといった効果を付加することが出来ます。これでホールで演奏しているような雰囲気を出せるのです。
 ところがここでも問題です。エコーが金属的でキンキンしすぎて耳障りなのです。かといってエコーを外すと雰囲気が出ないし、、、。ここで、ふと思い出します。Finale2005のヒューマンプレイバックでもエコーの設定があったけど、二重にかけているせいかな」。Finale2005にもどってエコーの設定を外しUA-3FXのエコーを絞ったところ、何とか我慢できるところまで抑えられました。本当はもっとエコーを掛けたかったのですが、耳障りではいけません。

 圧縮形式に変換
 この操作もSound it 3.0LEで出来ます。ここまでくれば簡単です。と、思いきやまた問題。というか私の勘違いだったのですが。今回の曲の演奏時間は合計で45分程なのですが、圧縮するにしてもいい音のほうがいいと思いMP3のビットレート192kbps(低圧縮率です)で変換したのです。圧縮後のファイルの容量を合計してびっくり。60MBにもなっているではありませんか。MP3ファイルは一曲あたり数百KB程度で10MBもあれば余裕だと思い込んでいたのです。
 PageONは有料にすれば容量を増やすことは出来ますが、60MBも増やすのはお金がかかりすぎます。何とか圧縮後の容量を減らさなければなりません。
 最高圧縮率のビットレート32kbpsで圧縮してみます。音質はAMラジオなみです。この音質ではいくらなんでも、、、。それでも圧縮後の容量は15MBあります。これで有料にして容量を増やさざるを得なくなりました。さて、どこまで増やすかです。
 いろいろなビットレートで確認してみたところMP3だと64kbpsで何とか聴ける音質になりました。もっと容量を減らせないかと思い、WMAで試してみました。すると、48kbpsで結構聴けるではありませんか。合計の容量も20MB程度です。PageONの容量を25MBに増やすように申し込みし(月額600円アップです)ました。
 こうして、WMAファイルでアップすることになったのです。

 単なる思い付きで始めてしまったのですが、思いもしなかった問題でちょっと苦労しました。
 しかし、45分程度ということは交響曲1曲分しかアップできないことになるのですね。通常のコンサートとしては短いですけど、ウェブコンサートということで勘弁してください。(『英雄』と『第九』は45分では収まらないぞ。どうしよう。)

 

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