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6.著作権について

2005.7.19


 このホームページを見ていただいたある方から「版権(著作権)は大丈夫ですか?」というメールをいただきました。大丈夫なはずですが、ちょっと気になることがあったので、再度調べてみました。
 著作権の詳細は下の【参考文献】を読んでいただくとして、このホームページが関係するあたりを述べたいと思います。

 まず編曲をするにあたっては、著作権者に許可を得る必要があります。逆に著作権が消滅している曲に関しては許可を得る必要はありません。
著作権が消滅している曲というのは、(日本では)著作者の死後50年を経過している曲のことで、パブリック・ドメイン(略してP.D.)といいます。ただし、「戦時加算」という例外がありまして、第二次世界大戦中の連合国側の著作物に関しては戦争期間を追加しなければなりません。
 それでは、著作権が消滅していれば自由に使用できるのかというと、そうでない場合があって「著作者人格権」を侵害してしまうような使用方法(※1)は出来ません。通常、吹奏楽編曲は著作権人格権を侵害するものとは考えられていませんが、作曲者によっては指定の編成以外での演奏を認めていない場合もありますので注意が必要です。

 このホームページで取り上げているベートーヴェン、ムソルグスキー、ラヴェル、メンデルスゾーン、マーラーにつきましては著作権は消滅していますので問題はありません。

 さて、ここまではいいのです。ちょっと気になったというのは次のことです。

 編曲するにあたっては市販の楽譜を使用しますよね。この楽譜の最初のページあたりに、
「(c) 2005 xxxx corp.,Tokyo,Japan.」(※2)
などと書いてあるではありませんか。
楽譜というのはその出版社で校訂や浄書されて出版されています。その校訂や浄書をしたということで二次的著作物として出版社が著作権を持っているのではないかと思えなくもないのです。となるとP.D.といっても出版社の許可を得ないと編曲できないことになってしまいますね。

 調べてみました。
 校訂や浄書では独創性のある創作とはいえないので、二次的著作物としては認められることはない、ということです。

 では、あのマークは何なのでしょうか?
 日本音楽著作権協会に問い合わせてみました。
回答は「楽譜の製作者であることの表示と思われます。」とのこと。つまり、日本音楽著作権協会では著作権の表示とは認識していない、ということです。

 ということで、ちょっと気になったこともスッキリしましたので、安心して編曲を続けることといたしましょう。

※1)著作権法第113条3項
「著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。」
※2) (c)は丸の中にc

【参考文献】
・『よくわかる音楽著作権ビジネス』 安藤和宏 著 リットーミュージック

・社団法人日本音楽著作権協会 JASRAC
http://www.jasrac.or.jp/

・YAMAHA MUSIC eCLUB
これだけは知っておこう!音楽著作権
http://www.music-eclub.com/lesson/koreshiri/index.php

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