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389.無くなってないのに

2013.12.8


 無くなっていないのに使えなくなってしまう物。と言って真っ先に思いつくのが、ボールペンであります。小さいころから、家にはボールペンが何本もありましたが、殆どがインクが残っているのに使えなくなっていて、使えるのは1~2本という感じでした。その使える、1~2本のボールペンも使いたいときには無くなっていたりします。それで買い物に出た時に買っておくのですが、その頃には使えたはずのボールペンもインクが固まった状態で見つかり、使えないボールペンが増えていくという寸法です。
 ですから、大人になってかなり経つまで、ボールペンは最後まで使えない物と信じておりました。

 初めて最後まで使い切ったボールペンは、二十年ほど前薬局であるドリンク剤のおまけについていたものです。ノックのところに花弁が付いていて、ノックすると花弁が開き中からそのドリンク剤の模型が現れるというおもちゃのようなものでした。
 で、このボールペンを会社で使っていたのです。仕事で使う道具に余り頓着しないと言いますか、筆記用具に関してはあまり興味も無かったものですから。
 当時は、現在のようにパソコンも普及しておらず、ワープロがボチボチと言ったところ。業務で使う書類も殆ど手書きでした。そして正式な文書などは、消すことが出来る鉛筆はダメで、万年筆かボールペンということになります。万年筆も扱いが面倒なのでボールペンを使う頻度が高かったということになります。

 最初はインクの量など気にしていなかったのですが、使い始めて半年程したときでしょうか。何気なくボールペンを分解してインクの量を見て驚きました。半分ほどになっていたのです。最初に書いた通り、ボールペンは使えなくなるのが常で、インクが減っているところなど見たことが無かったからです。
 それからは、気になってしょうがなかったですね。いつ使いきれるのだろうかと。残り5mm位になってからは、毎日のように確認していました。
 使い始めて1年程経ったところでついに書けなくなりました。ボールペンを最後まで使い切ったのです。感動モノでした。この感じお分かりになりますでしょうかねぇ。

 その後も、仕事で使っているボールペンで2~3本使い切ることが出来、余り感動することもなくなりました。
 少し困ってしまうのが、3色ボールペンであります。黒、赤、青の三色ですが、黒が真っ先に無くなります。赤が1/3程度、青はほとんど減っていないという状態。黒が使えないので、別のボールペンを用意しなければなりません。替え芯というのも売っているようですが、そのころにはボールペンの本体自体が壊れてきたりしていて、やはり残りのインクを使い切れないのですね。

 ボールペンの話はここまででして、似たような状態に陥るものを思い出したのです。前回の最後に唇のケアが必要と書きました。そうです、リップクリームです。

 リップクリームもなかなか最後まで使い切ることが出来ないものではないでしょうか。大体にして、年間の使用量が少ないことにあります。というのは、私だけでしょうか。まぁ、いままでそれほど唇のケアなどしていませんでしたからねぇ。たまに楽器を長時間吹いて荒れてきたところでようやく買うという物でしたから。つまり、年間4~5回しか使わないのです。で、翌年また唇が荒れてきたらどうするかというと、また新しいリップクリームを買うのですね。去年の物が有ったとしても。だって、口にするものですから去年の古いものには抵抗があります。そのようにして使わないリップクリームが増えていったりします。
 さらに、いつでも携行できているかということもあります。会社と自宅で使いたいときがあるのですが、常に携行しているかというと、忘れることが多いのですね。会社に置いてきてしまうとか。そういう訳で、自宅用にもう一本とか。

 今年は、毎日吹くという習慣が出来そうです。リップクリームも最後まで使ってみようと思います。と、言ってる先から買ってしまう私でした。

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