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280.仕様

2011.1.23


 編曲をするのに楽器に関する知識というのは必須であることは言うまでもありません。では、私にはその知識があるのかというと、かなり怪しい部分も多いのであります。
 金管楽器については、自分でも演奏しますのでかなりのことは分かっています。しかし、経験した楽器がチューバ、ユーフォニアムという楽器であり、ミュートを使った演奏経験が全く無いので、トランペット、トロンボーンのミュートの使い方、ホルンのゲシュトップについての知識は薄いことになっています。
 木管楽器は演奏経験もないので、ほとんど参考にしている「バンドのための編曲法」からの知識になりますが、実際の編曲場面では演奏可能な音域に入っているかの確認をするのが精一杯で、運指の困難な譜面にしないということは考えられません。原曲のフレーズがあるわけですから、運指が難しいといってフレーズを変える事は出来ないのです。それで別の楽器に移して演奏し易くするという手もあるわけですが、編曲のイメージで使いたい音色があり別の楽器に移したくないこともあるわけです。

 打楽器についてとなりますと、もっと貧弱な知識になります。まぁ、当初行っていたベートーヴェンの交響曲編曲において打楽器はティンパニは全曲に使われておりますが、その他の打楽器は、「ウェリントンの勝利」と「第九」で、バスドラム、シンバル、トライアングル、スネアドラム程度が使われているのみです。そういうことで、打楽器に関する知識は無くとも、譜面を写すだけで何とかなっていたのです。

 さて、ここの所、編曲に取り上げる曲がシベリウスやグラズノフといった編成の大きな曲になりつつあります。打楽器の使用頻度も増えてきます。音程の無い打楽器については、大抵がリズムの話ですので何とか分かるのですが、問題は鍵盤楽器です。
 弦楽器のフレーズをシロフォン、マリンバ、ヴィブラフォンに演奏させるアイディアも使うことがあります。この辺の鍵盤楽器についての知識になかなか厳しいものがあります。

 まず、音域です。弦楽器に対応させようと思うとかなり広い音域が必要になります。「バンドのための編曲法」にも音域の説明はありますが、ここはYAMAHAのウェブサイトを見てみたいと思います。
 パーカッションのページで、マリンバの音域表を調べます。すると、機種によって6つの音域の違いがあります。各楽器の仕様が違うということで、もちろん音域が広い楽器ほど高価になっていくでしょう。編曲する立場からすれば、音域が広いのはうれしいことですが、その楽器の普及率が低ければ、演奏不可能な場面も増えてしまいます。プロの場合は、譜面の指示にしたがって楽器を用意しますから問題ないですが、アマチュアの場合は楽器が用意できない場合は多々あるということです。
 そうすると、普及率の高い楽器の音域で編曲することにしたいのですが、さて、どの機種の普及率が高いのでしょうか。というようなことで悩んでしまいますね。

 次に奏法のについて。まぁ、これは音楽の先生かパーカッション奏者に聞けば分かることなんですが。
 マリンバはマレットを4本持って演奏するとさていますが、4本では和音の演奏が容易になりますが、速いパッセージは2本の方が演奏し易いと思うのです。4本持ったまま速いパッセージは可能なのでしょうか。不可能だとしたら、持ち帰る時間というのが必要になります。その辺、考えて編曲しているのですが、どうしても無理なところは、「二人で演奏してもらうかなぁ」なんて勝手なことを考えています。ちゃんと奏者に聞けよ、と言われそうです。

 仕様の話になると、木管楽器に話が戻るのですが、キィシステムというのがどの楽器でもグレードによって違っているようです。それが奏法上、どのような影響があるのか、仕様の違いによて下位モデルでは演奏不可能なパッセージはあるのか、やはり気になるところです。

 まだまだ、勉強が必要ですねぇ。

【参考文献】
バンドのための編曲法 分かりやすいオーケストレーション
F.エリクソン 著 / 伊藤康英 訳 / 東亜音楽社 発行 / 音楽之友社 発売
YAMAHA Percussion

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